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扇町の「ボダイジュカフェ」が閉店 移転再開に向け支援の動きも

店主の仲村伊太利さん(左)と「100日後に死ぬワニ」作者のきくちゆうきさん(右)

店主の仲村伊太利さん(左)と「100日後に死ぬワニ」作者のきくちゆうきさん(右)

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 3月に閉店する大阪・扇町の「ボダイジュカフェ」(大阪市北区神山町)を支援する動きが現在、じわりと広がりつつある。

アーティストに無償で提供する展示・販売スペース

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 2001(平成13)年に吹田市でオープンし、2007(平成19)年に現在の場所に移転した同カフェ。店主の仲村伊太利さんは吹田でオープンしたきっかけについて「料理研究家の母が飲食店を開業しようとした矢先に脳梗塞で倒れてしまった。当時、東京で吉本興業の芸人として活動していたが、母の店を引継いでカフェをオープンすることになった」と振り返る。

 吹田の店舗でオープン当初、仲村さん自身が出演するお笑いライブを開催するうちに音楽やアートなどさまざまなアーティストが集まり、ライブやイベントが開催されるようになったという。「アーティストを応援したい」と仲村さんは、店内で作品を展示・販売できるスペースをアーティストに無償で提供してきた。2019年12月から4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」を発表したきくちゆうきさんとは、店内で開催したアート展をきっかけに10年以上交流を続けているといい、「初めて彼の作品を見たとき、絶対に有名になると思った。想像を3、4倍上回る売れ方をして特に思い出に残っている」と振り返る。

 2020年から始まったコロナ禍で状況は一変し、一時は4分の1まで売り上げが激減。同年3月からカフェ存続のためクラウドファンディングで支援を呼びかけ閉店の危機を乗り越えたが、現在もコロナ禍以前の売り上げに戻らず今年3月で閉店すると発表。アーティストや常連客に閉店を告げるとカフェ存続を望む声が寄せられたことから規模を縮小して再開することを決意した。現在、5月の移転再開に向けクラウドファンディングで再度、支援を呼びかけている。

 「大阪に来たら必ずカフェに寄っている。ここまで力を入れてアーティストをサポートしてくれるところはない。規模は問わないので続けてほしい」ときくちさん。仲村さんは「これまで23年間で出会った1万人以上のアーティストとのつながりが一番の宝物。2回目のクラウドファンディングで支援を呼びかけることは悩んだが、最後の挑戦だと思って決断した。移転先でもアーティスト支援を続けていきたい」と力を込める。

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