三菱地所（東京都千代田区）など開発業者のJV9社が9月25日、JR大阪駅北側「グラングリーン大阪（うめきた2期）」（大阪市北区大深町）を来年9月に先行開業すると発表した。

カーブした屋根が特徴の大屋根付きイベントスペース

　「グラングリーン大阪」は、物流拠点「梅田北ヤード」跡地の約9万1150平方メートルの敷地を再開発し、都市型公園「うめきた公園」を中心に北街区と南街区に分け、複合開発するプロジェクト。来年9月に開業するのは、「うめきた公園」のサウスパーク全域とノースパークの一部、北街区賃貸棟。年間の来街者数は、うめきた1期として2013（平成25）年に完成した「グランフロント大阪」来訪者数の約5000万人以上を目標とする。

　約4万5000平方メートルの「うめきた公園」は、道路を挟んで「サウスパーク」と「ノースパーク」に分かれ、約400メートルの歩行者用デッキ「ひらめきの道」を上空に設置しその両方をつなげる。最大高さ3メートルの盛り土を南北両方にうねるように配置し、全体をあえて見通せないようにして回遊性を生むよう設計した。

　「サウスパーク」には、建築家ユニット「SANAA（サナア）」が手がけるカーブした屋根が特徴の大屋根付きイベントスペースをはじめ、約5100平方メートルの「芝生広場」には芝生を敷き、水遊びができる噴水などを設置。大屋根付きイベントスペースは、芝生広場と合わせ1万人規模のイベントが開催可能だという。このほか、情報発信棟や飲食施設、庭園空間「色彩ガーデン」なども設ける。

　「ノースパーク」には、四季折々の草木が楽しめる公園のほか、3施設がオープン。建築家・安藤忠雄さんが建築・監修する「ネクストイノベーションミュージアム」、企業活動など多目的に利用できるスペースや、市民活動の拠点として集える飲食施設・フリースペースを設ける「みんなのキューブ」、子どもから大人まで遊びと学びを体験できる施設「エデュテインメントキューブ」などが開業する。

　同じく来年9月には、ホテル「キャノピーbyヒルトン」や中核施設、商業施設が入る地上26階、地下3階建ての北街区賃貸棟が開業。2025年春には、南街区のオフィスやホテル、商業施設などが開業し、2027年春には全面開業を目指す。

　三菱地所・グラングリーン大阪室長の神林祐一さんは「進捗（しんちょく）状況は、公園部分は8、9割で全体としては半分程度。大阪の人にとって誇りとなる場所になれば」と話す。