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中之島「graf」で太陽がテーマの企画展-リビングワールドと共同で

中央の黒いカーテンの中では、前日に充電したスフェラーランタンの灯りを見ることができる

中央の黒いカーテンの中では、前日に充電したスフェラーランタンの灯りを見ることができる

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 大阪のデザイン集団「graf」の活動拠点「graf.bld」(大阪市北区中之島4)1階で7月9日、太陽をテーマにした企画展「『Touch the Sun!』grafとLiving Worldによる夏休みの自由研究」が始まった。

太陽の観測写真

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 ショップ、ショールーム、カフェ、企画フロアで構成する同ビルの1階は今年1月、「grafのニュースをお客さまに伝えるPR機能を持つフロア」(広報の小坂逸雄さん)として再編。名称を「graf mouth」とし、製品紹介や企画展を通じて「切り口を与えて提案していく場所」として展開する。

 企画展は、grafが製品開発とデザインで協力している京セミ(京都市伏見区)のスフェラーランタンを紹介する機会を作りたいと思ったことがきっかけ。パネルと違い、太陽の角度が変わっても充電量を確保できる球状の太陽電池を使ったランタンは「太陽を感じるランタン」として現在開発中で、会場ではピンホールカメラで撮影した前日の太陽の観測写真と共に展示。太陽の軌跡を見ながら、その太陽で充電したランタンをともすことができる。「前日の太陽の光をどうやって伝えるのがいいか」と考えていたとき、リビングワールドの西村佳哲さんが感光紙を使って太陽の軌跡を写すアイデアを出し、grafがピンホールの穴の大きさなどを調整しながら、2週間ほどかけて展示の形を作り出した。

 期間中、太陽の観測写真を毎日撮影したものを壁面に展示。「梅雨が明けた8日はきれいな軌跡を描いている。グラフィックとしてもきれい」とgrafの井上真彦さん。西村さんは「エネルギーをソーラーパネルで作って使っていこうじゃなく、毎日の太陽の動きを知って暮らすと違ってくるのでは?と企画した」と話す。

 リビングワールドの企画では、「太陽は夜になるとどうなるか」と5歳~9歳の子どもたちに投げかけた回答を展示。ウェブサイトなどで募集した約200枚を展示する。「正解が何かより、自分で考えてみること、親や大人とのやりとりが大切。正解しないといけないとは考えないので、バイアスがかかっていなくて楽しい」と西村さん。ラグマットなどで制作した「星の大きさ」は、太陽をラグマットで表現し、「パッと見て太陽と太陽系の惑星の大きさの違いがわかるようにした」。「時間虫めがね」は、時間倍率を上げて植物の動きを再生。「光を求めて光合成する動きを見ることができ、植物と太陽の関係を時間倍率を上げることで見えるようにした」

 太陽電池を使って音を鳴らす「Sound of the solar」は、太陽が海を照らし、水蒸気が雲となって山に雨を降らし、水が川に戻るという一連の音を表現。木の当たる音や水の落ちる音、川が岩を削っているような音で「会場のBGMにもなっている」(井上さん)。そのほか、リビングワールドの「太陽から放たれた光が地球に届くまでの時間」を計る砂時計も展示する。

 今月16日には、「太陽はどうやって最後を迎えるか」をテーマにした西村さんのトークや、子どもたちのアンケートをアカデミックな視点を加えて報告する勉強報告「太陽!」を、8月6日は、ワークショップ「太陽観測装置を作ろう!」を開催。21日には、期間中に思いついたことやデザインのスキルを使って太陽のことを考え、デザインの使い方を再提案する座談会を予定する。西村さんは「太陽を楽しみにきてほしい」、小坂さんは「デザインと何かの組み合わせをみなさんに感じてもらえるいい展覧会なので、ぜひ足を運んでほしい」と話す。

 開催時間は11時30分~20時。月曜と7月19日・31日は休み。入場無料。

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