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大阪・国立国際美術館で「バベルの塔」展 日本公開は24年ぶり

「貸し出しは過去2回だけ」という

「貸し出しは過去2回だけ」という

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 大阪・中之島の国立国際美術館(大阪市北区中之島4)で7月18日、ブリューゲル作品を中心に構成する「バベルの塔」展が始まった。24年ぶりの日本公開となる同作に加え、ボスの油彩画2点が初来日する。

大胆な構図と細密さが目を引く

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 ボイマンス美術館(オランダ・ロッテルダム)所蔵の表題作をはじめ、ネーデルラント美術の彫刻や絵画を90点紹介する。同館のシャーレル・エックス館長によると「ブリューゲル『バベルの塔』の館外貸し出しは、1990年代の日本と、パリ・ルーブル美術館の過去2回だけ」という。

 ブリューゲルは、16世紀ネーデルラント絵画の巨匠。聖書の物語や農村の暮らしを好んで描き、素朴な中に諧謔(かいぎゃく)や批判精神を込めた絵画を残した。代表作は生涯に3点描いたとされる「バベルの塔」のうち、最晩年に描かれたもの。

 縦59.9×横74.6センチと小ぶりな同作は、画面いっぱいに巨大な塔を置く大胆な構図と細密な描き込みで名高い。当時の建築技法、木材運搬船、風俗のほか、真新しい上部のレンガ壁は赤く、底辺部は土色にくすませる表現など、観察に基づく正確な描写に特徴がある。

 同展では、漫画家・大友克洋さんによる塔内部の想像図も展示。エックス館長は「塔の中身を想像するなど考えたこともなかった。日本の研究では新たな発想がいくつも得られ、感謝している」と話す。

 もう一つの見どころは、日本初公開するヒエロニムス・ボスの作品2点。「奇想の画家」とも呼ばれるボスは、伝統の写実的描写で地獄の情景や妖怪など非現実の世界を描き、サルバドール・ダリにも影響を与えた。現存するのは油彩画約25点、素描10点という希少なボス作品から、油彩画「放浪者(行商人)」「聖クリストフォロス」を展示する。

 特設売り場では、ブリューゲルが生み出した奇怪な生き物を印刷したTシャツ(2,800円)やペーパーナプキン(540円)、「バベルの塔」の拡大ポスター(1,600円)やスノードーム(780円)なども販売する。

 開館時間は10時~17時(金曜は19時まで)。入館料は、一般=1,500円、大学生=1,200円、高校生=600円。月曜定休(9月18日、10月9日を除く)。10月15日まで。

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