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JR西日本の間引き運転始まる-11日からは大阪環状線なども対象に

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 東日本大震災の影響で車両保守部品の確保が難しくなったJR西日本(大阪市北区芝田)は4月2日より、一部路線において運転本数の削減、運転区間の短縮を始めた。

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 不足する車両保守部品はモーターに電気を流すために必要な「直流電動機ブラシ」で、在来線約4,700両のうち約半数にあたる約2,310両の旧タイプの車両に使われている。素材となるカーボンブロックを製造する日立化成工業の製造工場(茨城県日立市)は4月上旬の稼働再開に向けて設備点検作業を進めているが、加工工程を行う浪江日立化成(福島県双葉郡)が福島第一原子力発電所の避難区域に入っているため再開のめどが立たない状況にあり、炭素協会加盟各社に代替加工を依頼しているという。

 JR西日本では同部品の約8割を同社から調達しており、他の一部納入メーカーにも生産増強を依頼しているが、海外メーカーなども含め他社からの大量納入はまだめどが立っていない。

 長期にわたりダイヤ確保を図るため、4月2日より北陸や山陽、和歌山県などで列車の運休などの見直しを開始。特急列車での車両増結をなくしたり、区間の短縮、臨時列車の取りやめなどを行ったりする。この週末は「一部の車両で通常より乗車率が上がったところもあるが、特に大きな混乱はなかった」(JR西日本担当者)という。

 11日からは、京阪神エリアでも「間引き運転」を開始。大阪環状線では、データイム(11時台~16時台)の大和路快速の大阪環状線内の運転を取りやめ、JR難波駅発着として運転。内回り計22本、外回り計24本の運転を取りやめ、データイムの運転率を80%に下げる。そのほか、大和路線、おおさか東線、湖西線、嵯峨野線、奈良線などでもデータイムの運転率を55%~75%程度に下げるほか、区間短縮を計画している。現在のところ、朝夕のラッシュ時間帯は100%の運転本数を確保しているが、「状況が継続するようであれば、今後ダイヤの検討もしていく」という。新型車両で運行する神戸線や京都線などでは通常通りの運行となる。

 運転計画はウェブサイト「JRおでかけネット」で確認できる。

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