中之島高速鉄道（大阪市中央区大手前1）が2003年度から建設を進めてきた京阪電車「中之島線」が10月19日、開業する。運行主体は京阪電気鉄道（同）。

安藤忠雄さんがデザインした「なにわ橋駅」の地上出入り口

　中之島線は、「中之島駅」～「天満橋駅」間約3.0キロメートルの区間に、「中之島駅」「渡辺橋駅」「大江橋駅」「なにわ橋駅」の4駅を新設。中之島西部地区には今まで鉄道が通っておらず、東西の軸ができることと周辺で進む大規模な再開発により、大阪経済の活性化が期待されている。

　中之島線開業に伴い、京阪線（本線・鴨東線・中之島線・交野線・宇治線）では19日初発から全面改定された新ダイヤで運行する。新ダイヤでは、「快速急行」「通勤快急」「深夜急行」「通勤準急」が新設され、各駅停車のみが停車する駅でもほぼ10分に1本以上の電車が来るように改定、「利便性が確保できるよう努めた」という。

　中之島線の列車はすべて京阪本線と直通で、平日昼間の基本パターンでは快速急行を1時間2本、区間急行を1時間4本運転。すべての快速急行は新型車両の3000系で運転される。平日朝のラッシュ時には、出町柳・三条からの下り列車では、7時帯は淀屋橋行き特急と中之島行き通勤快急を各4本、中之島行き快速急行を1本運転する。8時帯は淀屋橋行き特急と中之島行き快速急行を10分間隔で交互に運転。中之島からの上り列車では、出町柳行き快速急行を7時帯は20分間隔、8時帯は30分間隔で運転する。京阪本線と中之島線の乗り換えは、同一ホームで乗り換えが可能な「京橋駅」が便利だという。

　快速急行では、中之島駅～出町柳駅間を65分、中之島駅～枚方市駅間を29分、中之島駅～京橋間を10分で結ぶ。運賃は、中之島駅～渡辺橋駅、大江橋駅、なにわ橋駅間は210円、京橋駅までは260円、枚方市駅までは400円、出町柳駅までは530円。

　開通日には、渡辺橋駅と大江橋駅構内にショッピングゾーン「MINAMO」も開業する。渡辺橋構内には関西初出店のイタリアンバール「イルバール・ディプント」など飲食7店舗とコンビニエンスストア、大江橋駅には書店やサンドイッチのサブウェイなどが出店する。また、なにわ橋駅では、地下1階コンコースの一部を「アートエリアB１」とし、「アート」「知」をテーマにさまざまなプログラムを実施する。開業日にはオープニングイベントとして、京阪線の発車メロディーを手掛けた向谷実さんのライブなどが行われる予定。