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大阪市中央公会堂で「水の都の古本展」-風俗・芸能資料を特集

会場の様子

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 大阪市中央公会堂(大阪市北区中之島1)地下1階展示室で3月6日、「第5回 水の都の古本展 in 大阪市中央公会堂」が始まった。主催は、大阪・奈良の古書店11店が加盟する大阪古書研究会。

マッチラベルや包装紙のスクラップブック

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 1997年に発足した同研究会。会員はいずれも全国古書籍商業組合連合会に所属する店で、古本展の開催や目録の発行、大阪の古書店の変遷の研究などを通じ、古書文化の普及・啓発を目的とした活動を行っている。大阪で最も歴史のある屋外での古書即売会「天神さんの古本まつり」を毎年春と秋に開催してきたが、2010年から春のイベントは大阪市中央公会堂に会場を移し開催している。

 今年は同研究会に所属する店から8店が参加。中央にはガラスケースを設置し、今回の特集「ニッポン オン ステージ」に関する書籍や史料を展示販売する。同コーナーには、あしべ踊りや浪花踊り、遊郭にまつわる資料や上方演芸関連の書籍、ヌードショーのプログラム、芸妓(げいこ)の写真を掲載した写真集など、風俗・芸能の史料が並ぶ。マッチラベルや百貨店の包装紙を集めたスクラップブック、日本万国博ポスター、ポストカードなども集めた。

 会場では各書店がセレクトした書籍約1万5000冊を販売。200円の文庫・新書から数十万円の書籍まで幅広く扱う。「moderna」(北区)は、海外の絵本や雑誌、写真集、ビジュアルブックが多く若い層に人気が高い。「書砦 梁山泊」(同)では、写本の一部を切り取った古筆切(こひつぎれ)や浮世絵版画など年代物も並ぶ。

 モズブックス(和泉市)の松村明徳さんは、「室町時代の肉筆の古筆切が1万円ぐらいで買えるのは日本ぐらいでは。屋外の古本展では汚れたりするので良いものを持ってこられないが、本来、資料館などでガラスケースに入っているようなものを手に取って見ることができる」と同イベントの魅力を語る。

 初日の朝は掘り出し物を探しに開場前から古書ファンが並んでいたが、会場を中之島に変更し夜まで開催するようになってからは若い人や女性の来場者も増えてきたという。

 「なかなか本が売れない時代で電子書籍なども普及しているが、装丁が凝っていたり版画が使われたりしているなど現物の魅力を知ってもらいたい。一度来て見て触ってもらえれば、本だけでなくいろんな商品がある奥深い世界だと分かってもらえるのでは」と松村さん。

 開催時間は10時~20時(最終日は17時まで)。今月9日まで。

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