「落語のイズムを伝えたい」-桂蝶六さんが北浜で落語ワークショップ

「東の旅・伊勢参宮神の賑わい」の発端部分を練習する受講者たち

「東の旅・伊勢参宮神の賑わい」の発端部分を練習する受講者たち

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 北浜のアンソリットギャルリー&カフェバー「フレイムハウス」(大阪市中央区淡路町1、TEL 06-6226-0107)で3月27日、落語家・桂蝶六さんによる落語ワークショップ「落語を楽しむ」が開かれた。

講師の桂蝶六さん

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 桂蝶六さんは2代目桂春蝶さんの最後の弟子で、落語会を中心に、大阪青山大学客員教授、大阪アニメーションスクール、放送芸術学院非常勤講師、講演会などでも活躍する落語家。狂言師・森五六九(もりごろく)としての顔も持つ。落語の魅力について、「後味の良さ。落語の中では理想的なコミュニケーションが成り立っていて、演じているうちに演じている人間が変わってくる」点を挙げる。

 ワークショップでは、「明礬丁稚(みょうばんでっち)」を演じ、「だんながでっちを怒る時に本気では怒らない。『アホやなあ』という愛情の裏打ちがある態度で一貫している」などと解説した後、うどんの食べ方や刀の長さなどを表す扇子の使い方、座布団があり動かない芸の良い点、着物は女性を演じやすいことなど、落語の基本を伝授。「落ち」(大阪では本来はサゲ)については、「最後の一言で現実に戻すのが落ち」だといい、「笑いとは緊張の緩和」などと話した。

 その後、「リズムとメロディーを身につける」ため、落語家の多くが初めにけいこするという「東の旅・伊勢参宮神の賑わい」を練習。カラオケで演歌を歌う人を例に挙げ、「感情を移入しすぎるとリズムが崩れる」といい、小拍子と張り扇を用いて話し言葉の句読点を身につける練習に、狂言の基本の言い回し「二字上がり」を加え練習を行った。

 蝶六さんは「落語家が落語家にではなく、広く社会に伝承していくやり方もあるのでは」といい、「落語の後味の良さ」を突き詰めていく授業やワークショップを今後も行っていきたいと話す。

 次回は4月13日、大阪市、大阪大学、大阪21世紀協会などが連携する、「まちなかに市民自ら学びの場を作ること」を目的としたプロジェクト「21世紀の懐徳堂」プロジェクトの一環として、同店で開講する。受講料は2,000円。申し込みは同店まで。

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