中之島「大阪名品喫茶 大大阪」、ダイビル建て替えで閉店へ

大阪に関する多数の書籍や写真集をそろえる店内

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 中之島のダイビル(大阪市北区中之島3)1階に店を構える「大阪名品喫茶 大大阪」(TEL 06-6444-8870)が4月11日、ビル建て替えに伴い閉店する。

1925年に建築された中之島の「ダイビル」

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 同店を運営するのは、不動産仲介、リノベーション設計・施工を手掛けるアートアンドクラフト(同)。2004年、実際に働いたり生活してみたりして、リノベーションのメリット、デメリットを感じたいと、1925(大正14)年に建築された同ビルに事務所を移転。喫茶の区画が空いたと連絡があったことから、同区画をリノベーションし同店運営も始めた。

 約12坪に20席を設ける店内は、「もともとはやりのカフェじゃない喫茶店を作りたかった」(店長の吉崎かおりさん)こともあり、「同ビルが建築された、大阪人が自ら大大阪と呼んでいた当時の潮流を意識したデザイン」だといい、壁には当時の大阪の風景や建物の写真を飾っている。「このビル自体が名建築で彫刻などが一つずつ凝ったものなので、それに合うように店を作った」ところ海外のメディアなどでも取り上げられ、「台湾やタイから若いクリエーターが結構来た」とも。吉崎さんは「若いクリエーターや海外の人、昔このビルで勤めていたというお年寄りたちが、ここに来てゆっくりコーヒーを飲んでくれた。ものづくりに国籍や年齢は関係ないと働いていて実感した」という。

 同店では、「大阪では本当にいいものが多く作られているので、それらを発信したい」との思いから、文具、工芸品、プロダクトなど大阪発の名品をセレクトして展示。手にとって使ってもらいたいと販売も行う。コテコテ以外の大阪を伝えたいと、近代建築や大大阪時代の芸術に関する書籍や写真集なども選び、コーヒーを飲みながらゆっくり閲覧できるようにもしている。

 メニューは、大大阪時代の濃厚なコーヒーを再現した「大大阪珈琲」(450円)や、上町台地で焙煎(ばいせん)したコーヒー豆を使った「マイルドブレンド珈琲」(450円)、バタートースト(350円)など。

 今月28日、4月3日、9日、11日には、クリエーティブユニットgraf代表の服部滋樹さんや、解体される数々の建物をウクレレ化してきた伊達伸明さんらが日替わりでマスターを務める、さよならイベント「スナック大大阪」も開催し、夜間も特別にオープンする。

 通常の営業時間は9時30分~18時。日曜・祝日定休。

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