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阪急うめだ本店で絵本作家・たなかしんさん原画展-「生き物の肖像」テーマに

画家・絵本作家のたなかしんさん

画家・絵本作家のたなかしんさん

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 阪急うめだ本店(大阪市北区角田町、TEL 06-6361-1381)9階アートステージで8月6日、画家、絵本作家・たなかしんさんの作品集出版記念原画展が始まった。

「さまざまな生き物の肖像」をテーマにした作品

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 1979(昭和54)年大阪生まれのたなかさん。幼稚園のころは3月生まれのため体が小さく周りに溶け込めず、いつも絵を描いていた。小学生時代は授業で描いた模写に興味を持ち、ピカソやゴッホの模写をして過ごす。卒業文集には将来画家になりたいと書いた。高校時代に神戸文化短期大学(現・神戸ファッション造形大学短期大学部)への進学を決め、短大時代には油絵や水彩、版画、彫金、彫塑(ちょうそ)などを習得した。

 卒業後、作家活動を始めたが「公募展に出して賞をとるだけでは面白くない」と、描いたこともない絵本に挑戦したところ、「ページ数も何もめちゃくちゃだったがコンテストで優秀賞を受賞した」。知人からの勧めでボローニャ・ブックフェアに出品したが今度は落選。同フェアの入場券をもらったたなかさんは英訳した作品を手にイタリアに向かい、そこで台湾の出版社に気に入られ、2005年に台湾で絵本作家としてデビューした。

 自身の作品を表現する手段として絵本を選んだが「絵本は表現の一種」と、2012年からは「さまざまな生き物の肖像」をテーマにした作品を制作。「人間と動物の支配関係は人間が作っているが、それぞれの生物に主がある。人間と動物の境を取り除き、自分自身を振り返るきっかけになれば」と、動物をモチーフにした作品を丸1年描き続けた。

 昨年父親が脳腫瘍で倒れ、「一人では死なせたくない」と病院の個室に泊まり込んで、家族全員で看病をしてきたたなかさんは、「家族の大切さを再認識した」と、家族をテーマにした絵本「ウサギ族とネコ族のはなし」も制作。対立する両部族のウサギとネコが結婚し、その姿を見た子どもたちの行動が両部族を仲良くさせるというストーリーで、「世界の平和は家庭の幸せから始まり、それが大きくなって、村、国、世界に広がれば。今は薄れてきているが、みんなが両親の姿を見て子どもが育つということを大切にすれば平和になる」との思いを込めた。今回出版した「たなかしん作品集 PORTRAIT」には、生物の肖像シリーズと絵本「ウサギ族とネコ族のはなし」を収録する。

 会場では、作品集の原画や「肖像の世界から飛び出してきたような」立体作品を展示。原画は、「市販されている下地剤は均一できれいになって面白くない」と、アトリエのある明石の砂浜の砂を下地に使っているのが特徴で、立体作品は「あえてピカピカに磨かず個性を出している。物語を想像してもらえたら」といい、何か訴えかけるような力強さを表現しようと目だけピカピカに仕上げている。

 「物語を読んで家族に対してちょっと優しくなったりしたらうれしい。そういう出会いのきっかけとなる作品を作っていきたい」とほほ笑む。

 開催時間は10時~20時(金曜・土曜は21時まで、最終日は18時まで)。入場無料。今月13日まで。

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