JR大阪駅北側のさら地「うめきた2期」(大阪市北区大深町)の開発事業者に7月12日、三菱地所などJV9社が選ばれ、計画概要が公表された。2024年夏に一部まち開きを予定している。
コンセプトの「『みどり』と『イノベーション』の融合拠点」に沿い、高層ビル4棟と都市公園(4.5万平方メートル)を複合開発する。中央には梅田~大淀をつなぐ東西道路(大阪駅北1号線など)を整備。南北の隔たりを解消するため、上部に歩行者デッキ「ひらめきの道」を渡す。デッキ伝いにグランフロント大阪、ルクア大阪を周遊できる。
4棟のうち、南側のビルはいずれも高さが180メートル以上(同182メートル・185メートル)で、近隣のグランフロント大阪(タワーA=同179.3メートル)、「梅田スカイビル」(同173メートル)をしのぐ。北側の2棟は同150メートル・176メートル。ビル部分の総開発面積は4.6万平方メートル。
北街区(敷地面積1万5726平方メートル)と、南街区(同3万429平方メートル)の双方にホテル、商業施設、オフィス、分譲住宅、イノベーション施設、駐車場の機能を備えるほか、北街区にはプラットフォーム施設、南街区には都市型スパ、MICE施設(国際会議場など総合施設)を設ける。
都市公園は、東西道路を挟んで北に「うめきたの森」(2万平方メートル)、南に「リフレクション広場」(2.5万平方メートル)を整備する。園内には、飲食店や売店、ミュージアム、体験学習施設、屋根付き野外劇場などを設ける。
JVは、三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発特定目的会社で構成。設計・運営は、6社(三菱地所設計、日建設計、SANAA事務所、Gustafson Guthrie Nichol Ltd、日比谷アメニス、阪急阪神不動産)が共同で担う。
土地は2020年9月以降に引き渡され、同年10月以降に民間宅地工事を始める。
旧国鉄・梅田貨物駅跡の「うめきた2期」は、物流拠点として利用された後、2013年3月に閉鎖された。駅前の広大な一等地ながら、計画策定の遅れなどで長く開発されずに残されていた。