映画「川の底からこんにちは」石井裕也監督、関西公開を前に作品をPR

第19回PFFスカラシップ作品「川の底からこんにちは」(石井裕也監督)

第19回PFFスカラシップ作品「川の底からこんにちは」(石井裕也監督)

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 梅田ガーデンシネマで7月10日公開の映画「川の底からこんにちは」の石井裕也監督が6月16日、関西地区での公開を前にインタビューに応えた。

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 同作品は、仕事も恋愛も妥協した無気力な毎日を送っていた派遣OLの佐和子が主人公。父親の病を機に緑が生い茂る水辺の町の「しじみ工場」の後継ぎとなるが、工場の倒産危機などで追い詰められ、ドン底から「もう頑張るしかない!」と開き直る姿を描く。出演は満島ひかりさん、遠藤雅さん、志賀廣太郎さん、岩松了さんなど。

 「夢も希望も持ちにくい世の中で、どうすれば希望を持ち続けることができるかを描くことが挑戦だった」と石井監督。作品では、現代社会の世相を反映させ逆境に立ち向かうさまざまな世代や立場の人たちをコミカルに愛らしく映し出している。

 脚本も手掛けた石井監督は1983(昭和58)年生まれで埼玉県出身。大阪学芸大学の卒業制作作品「剥き出しにっぽん」が「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2007」グランプリを受賞し、受賞者を対象として行なわれる企画コンペで第19回PFFスカラシップを獲得した。商業映画デビューとなる今回の作品について、「(インディーズと違い)自分の考えを伝える人数が多く、年代も幅広い点が大変だったが、やりにくさはあまり感じなかった」と振り返る。

 主人公を女性に設定した点について「人間の意地や開き直ったときのすごみは、男性よりも女性のほうがスコンと抜けたものがあるのではと考えた」とし、「(主人公を演じた)満島さんの尋常ではない精神力や力強さに助けられた。彼女の良さを引き出すように努力した」と話す。

 「ドン詰まりな状況を認めて『しょうがない』と言うことはある意味ではかっこいいことで、江戸っ子の『粋』につながる。『しょうがないから頑張るしかない』というのは今の時代に必要なこと。開き直ることでかすかな希望が見え、見終わった後の爽快(そうかい)感につながれば」と作品をPRする。

 7月10日から梅田ガーデンシネマ、同17日から神戸アートビレッジセンター、同31日から京都シネマで上映。

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