梅田スカイビル・タワーイースト5階イベントスペース(大阪市北区大淀中1)で7月20日より、明治~昭和時代の大阪の暮らしを再現するジオラマ展「人間、この愚かですばらしきもの展」が開催されている。
ジオラマ製作・総合プロデュースは、空間演出のデザインから製作まで手がけるディグ(西区)の南條亮(あきら)社長が手掛けた。キッズプラザ大阪の巨大ボールサーカスの企画、設計、制作や、先日リニューアルオープンした大阪市立科学館の東洋初のロボット「学天則」の復元製作など、多くの科学館や博物館の空間演出を手がけている。
南條さんは1998年からジオラマの制作を開始。「最近昭和のよき時代がよく取り上げられているが、昭和はすべて良かったわけじゃない。いいといわれる時代はわずか10年ぐらいしかない」といい、「僕らはそれをまた捨ててしまった。もう一度見つめ直さなければいけない」との思いで作り始めたという。
会場では、11のジオラマに約20センチの人形900体を用い、大阪の街を再現。明治の小学校や道頓堀、空襲直後の大阪や戦後の街、昭和30年代の風呂屋や八百屋、駄菓子屋などを展示している。ジオラマにはボタンが設置され、「人形を置くだけより親しみがもてる」(南條さん)と、ボタンを押すと人形が動いたり、音楽やせりふが流れたりするなど、随所に仕掛けが施されている。
ジオラマ以外にも心象風景を描いた影絵13点も展示。「かごめかごめ」や「チャンバラごっこ」をして遊ぶ子ども、焼きいもを焼く風景など、昔はよく見られた光景を何枚もの影絵を重ねて表現している。
会場内には、「通天閣・ルナパーク製作工房」も設けられ、大正時代の「通天閣」と遊園地「ルナパーク」のジオラマ制作現場を見ることができる。毎週土曜・日曜の14時~17時は、ジオラマ作り体験として、来場者も人形作りや建物の製作に携わることができる。
南條さんは「今後この作品の常設展示とワークショップのできるスペースで、ミュージアム、教室、工房の役割を担い、世代を超えて交流できる場を作りたい」と話している。
開館時間は11時~19時。入場料は、一般・大学生・中高生=500円、小学生=300円、小学生未満=無料。9月15日まで。問い合わせはディグ(TEL 06-6583-6245)まで。
昭和30年代を再現したジオラマと南條亮さん(関連画像)大正時代の通天閣の製作現場(関連画像)梅田スカイビル南條亮のホームページ大阪市立科学館が展示場リニューアル-大人も楽しめる内容に(梅田経済新聞)