学ぶ・知る

梅田で「富士屋ホテルの営繕さん」展 クラシックホテルの専属職人集団

移設した実物の「朱赤の欄干」

移設した実物の「朱赤の欄干」

  •  

 グランフロント大阪(大阪市北区大深町)12階のLIXILギャラリーで現在、企画展「富士屋ホテルの営繕さん」が開かれている。

富士屋ホテル本館の玄関

 1878(明治11)年、日本初の本格的なリゾートホテルとして開業した富士屋ホテル(神奈川県箱根町)。「日光金谷ホテル」「奈良ホテル」などと共に、竣工年や保存状態、認定などの条件を満たしたホテルで構成する「日本クラシックホテルの会」に所属している。

[広告]

 開業当初は主に外国人客の利用が多かったことから和洋デザインが入り混じる独特の建築群は、1997年に登録有形文化財に指定された。

 ホテルの施設管理課に属する「営繕さん」は、敷地の一角にある作業場に常駐し、開業当初から木工事、左官、溶接、塗装などを通じ、裏側でホテルを支えてきた。「ホテル内に『営繕小屋』があること自体が大変珍しい。維持管理は外部に任せるのが現在は一般的」と同ギャラリー・ディレクターの高橋麻希さんは話す。

 営繕チームはホテル専属の職人集団として、日々館内各所の設備を点検・修繕してまわるほか、あずま屋や水車から、プールの更衣室、コンシェルジュコーナーの家具、看板まで幅広く製作。平成初期までは活版印刷も手掛けていたという。

 同展では、長年にわたり建物を守り続けてきた営繕チームの仕事とその痕跡を、写真や映像、資料など約90点で紹介する。会場には、今年4月から創業以来初となる2年間の長期休業を利用して、営繕担当者が製作した実物の「朱赤の欄干」を目玉展示として移設した。

 開館時間は10時~17時。水曜休館。入館無料。入館は大阪駅側の南館「タワーA」のオフィスエントランスから。11月20日まで。