ディアモール大阪内イベントスペース「ディーズスクエア」(大阪市北区梅田)で7月25日、熱中症対策啓発イベントが開催された。
記録的猛暑で熱中症による死者が1718人(年間)に上った2010年。それまで屋内では熱中症にならないと思われていたが、実際には「屋内」で「高齢者」が発症し救急搬送されるケースが多く、梅雨明けが早かった今年も厳しい暑さが続く見込みだ。
進行するまで症状が出にくい脱水症の深刻化する手前の状態を「かくれ脱水」と位置付け、熱中症や脱水症の仕組みや予防・対策について啓発活動を行う同イベント。会場では、「働く人」「高齢者」「学生」それぞれに向けたタブロイド版のPR紙「かくれ脱水JOUNAL」と「かくれ脱水チェックシート」、経口補水液「OS-1」(大塚製薬工場)を配布した。登壇した「教えて!『かくれ脱水』委員会」の服部益治委員長(兵庫医科大学小児科教授 医学博士)は「かくれ脱水」の症状を「ベタ」「ダル」「フラ」「イタ」と覚えてほしいと呼び掛け、首筋などがベタつく、ダルさが感じられる、めまいや立ちくらみでフラフラする、足がつったり頭痛がしたりするなどが脱水症状のサインと解説した。
服部委員長は「日頃から少し気を付けているだけで死亡には至りにくい。朝起きてすぐ水分を摂(と)ること、2時間おきには水分を摂ること」と、こまめな水分補給を第一に挙げる。「ナトリウム、カリウム、それらの吸収を速めるブドウ糖が配合された経口補水液は体から失われた水分と塩分を補うもので、朝は水でも良いが、軽度から中度の脱水症状が見られる場合は経口補水液を摂取するのが適している」と話す。
日常生活では、「朝ごはんを食べない人が多いが、おかゆと梅干し、みそ汁で塩分も糖分も摂(と)れる。昔の人は夏には麦茶をよく飲んでいたが、最近では緑茶やコーヒーなど利尿作用のあるカフェインが含まれた飲料を摂る人が多く脱水を起こしやすい。ビールは飲んだ量の1.2~1.3倍が出るので、ビールばかり飲んでいると脱水症を起こす」と注意を促す。
気温、湿度ともに高い大阪府は、今年5月27日~7月7日の暫定値で熱中症による救急搬送者数が都道府県別で最多。「大丈夫と思っている人も多いと思うが、用心して悪いことはないので心掛けていただきたい」と呼び掛ける。