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阪急うめだ本店で「久保修 切り絵の世界展」-関西の風景など150点

切り絵画家の久保修さん

切り絵画家の久保修さん

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 阪急うめだ本店(大阪市北区角田町、TEL 06-6361-1381)9階阪急うめだギャラリーで2月13日、切り絵画家・久保修さんの個展「久保修 切り絵の世界展~紙のジャポニスム 関西篇~」が始まった。

新世界

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 1951(昭和26)年に山口県で生まれ、大阪万博が開催された1970(昭和45)年に大学進学のため大阪に移り住んだ久保さん。家業の建築事務所を継ぐため建築の勉強をしていたが、パースの制作をする中で紙を切る面白さに興味を持った。

 大阪で切り絵を描き始めて7年が過ぎたころ、久保さんは小松左京さんに出会う。「小松左京さんは岡本太郎さんや司馬遼太郎さんなどすごい人を紹介してくれた。岡本太郎さんには『テクニックのきれいさより絵として発表していく方がいいのでは』と言われた。今となれば分かるが当時は消化ができなかった」と話す。

 1985(昭和60)年、小松さんのアドバイスでスペインに渡った久保さんは、「初めての海外で木の文化から石の文化が自分の中に入ってきた」といい、それまで和紙を使って制作してきたがスペインにはなく、絵の具やパステルを使うようになるなど、違う発想が生まれたという。その経験が、パステルやアクリル絵の具、布、砂、和紙、洋紙などの素材を取り入れる現在の久保さん独自の技法・ミクスト・メディアを築き上げるきっかけとなった。その後、久保さんは市販の和紙では出せない色を自身で染めるようになり、「10年かけて思い通りの色が出せるようになった」という。

 同展では「紙のジャポニスム」をテーマに、「関西を描く」「食材を楽しむ」「日本を感じる旅」「異国の旅」で構成し、約150点の作品を展示。大阪の作品では、新世界や大阪城、中之島、岸和田のだんじりなどの作品を展示する。

 2009年からは文化庁文化交流使としてニューヨークにも拠点を持ち活動。昨年も5カ国を訪れ、切り絵のレクチャーやワークショップを通じて日本の文化を紹介している。今後は「今では探さなければ見つからない民家やその土地土地の持つ『僕の感じる日本』を自分の色で作り上げていきたい」と意気込む。

 開催時間は10時~20時(金曜・土曜は21時まで、最終日は18時まで)。入場料は、一般=700円、大学生・高校生=400円、中学生以下無料。14日11時からと14時からはギャラリートークも行う。今月18日まで。

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