中之島フェスティバルタワーが竣工-フェスティバルホールの内部を公開

3階席最後部からステージを望む

3階席最後部からステージを望む

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 朝日新聞社が建設を進めてきた中之島フェスティバルタワー(大阪市北区中之島2)が11月6日に竣工し、同日、フェスティバルホールの内部が報道陣に公開された。

ステージから見た客席

 地上39階、地下3階、高さ200メートルの同タワーは、今月28日にオープンする商業施設「フェスティバルプラザ」、来年4月にオープンする「フェスティバルホール」、オフィス、カンファレンスルームで構成。フェスティバルホールは、1958(昭和33)年に旧ホールを開館。「天井から音が降る」と称され、国内有数の音楽ホールとして知られた同ホールには、閉館までの50年間に約4000万人が訪れた。

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 「チケットをもぎってから開演までワクワク感を感じてほしい」(同ホール支配人の西部宏志さん)と、1階正面入口のレッドカーペットを敷いた大階段を上がると、2階エントランスには華やかなシャンデリア、そこから緩やかな傾斜のエスカレーターで上がった5階には3層吹き抜け、高さ18メートルの空間に星をイメージした装飾を施したメーンホワイエを設け、非日常空間を演出。メーンホワイエには外観で使用するレンガを内装に使い、旧ホールの重厚さを継承した。

 新ホールには、旧ホールと同じ2700席(オーケストラピット内176席を含む)を設置。バルコニーボックスも32席設け、一般席の座面幅は5センチ広くし、前後間隔も4センチ広げ、ゆとりのある鑑賞空間を実現。客席の天井高を上げることで、舞台から客席の距離は旧ホールの2階席最後部より、新ホール3階席最後部の方が近くなった。赤いシートと木を使った床は、旧ホールの良さを継承しながらも進化させたという。

 舞台は、これまでの固定式から間口25~30メートルの可動式に変更。奥行きや袖を広げることで、旧ホールの倍となる1580平方メートルを使うことができる。クラシックコンサートで優れた音響効果を得るために客席と舞台の空間を一体化させる音響反射板は、総重量120トンの国内最大級の規模で、折り畳み格納することで奥行き寸法の異なる大編成・小編成の2パターンの形成を可能にした。大道具などをつるバトンも33本から54本に増やし、手動から電動に変更。コンピューター制御により、オペラやミュージカルなどの複雑な演出も可能にした。

 音響は、外部の道路や近接する地下鉄の騒音、空調設備などの室内騒音と振動を遮断するとともに、ビル中層階に位置することからオフィスや商業施設への音漏れを防ぐよう「静けさ」を確保。音響反射板と旧ホールの象徴でもある壁面の拡散体をより効果的に配置し、クリアで温かい響きを楽しめるようにした。永田音響設計の池田覺社長は「どの席でも心地よい、明瞭な音を確保した。演奏家の皆さまにもお客さまにも愛されるホールになれば」と話す。

 同ホールでは、開業式典のある来年4月3日まで約5カ月をかけ、音響や舞台の調整、スタッフのトレーニングを行い、同10日に「フェニーチェ歌劇場」のガラ・コンサートで幕を開ける。