大丸ミュージアム梅田(大阪市北区梅田3、TEL 06-6343-1231)で9月26日、月光写真家・石川賢治さんの写真展「宙(そら)の月光浴 space of spirit」が始まった。
1945(昭和20)年生まれの石川さん。フリーランスのコマーシャルフォトグラファーとして活躍していた1984(昭和59)年、撮影でカウアイ島を訪れたときに、「近くに海があり、月明かりだけで歩いて行けた。真っ白な砂浜は月光に照らされて意外と明るく、海と水平線、形のいい雲、海面すれすれに飛んで行く鳥がはっきり見えた」ことがきっかけで、「プロで18年目だが、月光写真をこれまでに見たことがない」と、月明かりのみで撮影する月光写真に興味を持った。その後、「月光だけで写るのか、と花のつぼみをインスタントカメラで撮影したら太陽と同じ発色で写っていた」ことで、「月面に太陽の光が反射しているということの証明」と、撮影のテーマを「宇宙感覚」とし月光写真の撮影を始めた。
同展では、「アイデンティティーを見つめなおそう」と撮影した京都や屋久島での写真、月虹(げっこう)のかかったブラジル・アルゼンチンの国境にまたがる「イグアスの滝」、ボリビアの世界一広い塩湖「ウユニ湖」、長時間露光で波が雲海のように写ったサイパンの岬など、太陽光の46万5000分の1という満月の月光のみで撮影した16カ国の月光写真109点を展示。グアテマラ・ティカル遺跡で1992年に撮影した写真については、「光が突然現れて、一緒に行った6人全員が言葉を失った。UFOかも?」と笑う。
会場では、2006年に発売したDVD「月光浴 Moonlight Shower」も上映し、ミュージアムショップでは、同展開催に合わせて出版した写真集「宙の月光浴 space of spirit」(2,940円)やポストカード(157円)などを販売。
石川さんは「今後、南米や北アメリカ、ヨセミテ国立公園、アンデス山脈に行ってみたい。これからも『宇宙感覚』に少しでも近いものが撮れるよう撮り続けたい」と話す。
開場時間は10時~19時30分(最終日は17時30分まで)。入場料は、一般=800円、大高生=600円、中学生以下無料。10月8日まで。