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阪急メンズ館で「モダン大阪ミュージアム」-昭和12年の観光映画上映も

1階では1937年に製作された観光映画「大大阪観光」を上映

1階では1937年に製作された観光映画「大大阪観光」を上映

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 阪急百貨店メンズ館(大阪市北区角田町、TEL 06-6361-1381)で4月27日、「大大阪時代」に注目した「モダン大阪ミュージアム」フェアが始まった。

棟方志功からのはがき

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 1925(大正14)年、市域の拡張を行い日本最大の都市となった大阪市。西洋文化が本格的に市民生活に浸透し、洋服や建築物、カルチャー、食文化など多方面に取り入れられ、中でも背広に帽子、革靴をまとったビジネスマンはモダンライフの象徴とされた。同館では、大阪の産業や文化が栄え「大大阪時代」と呼ばれた大正時代末期から昭和初期に注目し、「『装う』ことの魅力を再発見してほしい」と同フェアを企画した。

 1階特設スペースでは、1937(昭和12)年に製作された大阪市指定文化財にも指定される観光映画「大大阪観光」を上映。大阪市電気局と産業部によって制作された同映画は、鉄道、車、船、飛行機で大阪に向かう様子で始まり、整備された御堂筋や地下鉄、観光船「水都」、復興した大阪城天守閣、建築物などとともに、当時のファッションが映し出されている。

 地下1階と1階・3階ではパネル展「モダン大阪ミュージアム」を開催。地下1階には「大大阪時代の娯楽」と題し、新世界ルナパークや観光艇「水都」、道頓堀の夜景などを展示。1階には、「大大阪時代の街並み」「大大阪時代のファッション・風俗」として、当時の御堂筋とビル群、水晶橋と大阪控訴院、ロングスカートをはいた「モガ」や大阪歌舞伎座のアイススケート場の様子がわかるパネルを展示する。3階には、現存する大阪府立中之島図書館や綿業会館、泉布館の写真なども。パネルとバナー合わせて19点を展示する。

 1階イベントスペースでは、1901(明治34)年創業の手縫いバッグ店「馬場万」(大阪市中央区)が期間限定で出店。版画家・棟方志功や第19代内閣総理大臣・原敬らが愛用した製品は、現在もタンニンなめし100%の素材を使い全て手縫いで作る。店内には、外遊先のイタリアでかばんを褒められ「ハナが高かった」と書かれた棟方志功からのはがきも展示。

 期間中、「大大阪時代」を知るミニセミナーも開催。5日には大阪大学総合学術博物館教授・橋爪節也さんを招き、橋爪先生の解説とともに映画「大大阪観光」を楽しむセミナー、6日には「大大阪時代の船場と旦那衆」と題し、街をリードした社長らがどのように過ごしていたかを解説。7日には建築家・高岡伸一さんによる「モダン建築探訪」、8日には神戸ファッション美術館学芸員・百々徹さんによる「男性ファッションから考える大大阪」を開催する。各回先着20人。申し込みはホームページで受け付ける。ホームページ上には、大大阪時代の魅力と初夏のジャケットスタイルを紹介する「モダン大阪ミュージアム」のデジタルパンフレットも。

 宣伝広報部の甲村美幸さんは「地元大阪に密着する百貨店として、ゴールデンウイークに遠方からいらっしゃる方にも大阪をより知ってもらえれば」と話す。

 営業時間は、日曜~火曜=10時~20時、水曜~土曜=10時~21時。フェアは今月24日まで。

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