上方落語の定席「天満天神繁昌亭」(大阪市北区天神橋2)で8月23日、アンデルセン童話を題材にした落語会が開催される。開催日が、デンマーク・コペンハーゲンの「人魚姫の像」の誕生日(公開日)にあたることから大阪・天保山マーメイド広場の人魚姫像前で7月4日、出演者らが大入り祈願を行った。
北欧関連の図書を扱うビネバル出版(東京都新宿区)の山中典夫社長が、デンマーク留学時代に現地で見た紙芝居が「ストーリーの展開やテンポが落語にそっくり。言葉は違うが共通点は多い」と、デンマークの世界的童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの生誕200周年に合わせ、2005年に長年のアイデアを神楽坂毘沙門天(東京都新宿区)で実現した。2007年からは繁昌亭でも開催。3周年を記念し東西の落語家が競演する。
演目は、露の団四郎さん=「こんかつ」(原題「えんどう豆の上に寝たお姫様」)、笑福亭仁勇さん=「おしゃれな殿さま」(原題「裸の王様」)。それぞれ童話のストーリーを引用しながら、時代背景や舞台、登場人物の名前などを落語風に置き換えている。東京からは三遊亭吉窓さん=「びんの首」、桂扇生さん=「旅の仲間」、桂米平さん=立体紙芝居「雪の女王」が出演する。
団四郎さんは「原作に忠実にしながら笑いを入れるのが難しいが、書いていて面白い。落語としても楽しんでもらえるものが出来上がった」と話し、仁勇さんは「童話ファンも落語ファンも、原作を知っていても知らなくても楽しめるように意識した。今回は『はめもの(おはやし)』も入れてにぎやかに演じる」と話す。「親子連れや、落語を初めて聞く人にも気軽に楽しんでもらえれば」 とも。
開演は18時。入場料は、前売り=2,500円、当日=3,000円(中学生以下は前売り・当日共1,000円)。問い合わせはビネバル出版(TEL 03-5229-5899)まで。