グランフロント大阪(大阪市北区大深町)内ナレッジキャピタル4階「ナレッジシアター」(TEL 06-6372-6434)で5月1日、翌2日から上演されるロボット演劇版「銀河鉄道の夜」の公開ゲネプロが行われた。
宮沢賢治原作の同作を大阪大学教授で劇作家の平田オリザさんが作・演出し、同大学ロボット演劇プロジェクトと吉本興業が最先端技術と芸術、エンターテインメントを融合させ上演する世界初演のロボット演劇。ロボット・アンドロイド開発者の同大学教授・石黒浩さんとATR知能ロボティクス研究所が開発したロボット「ロボビー」、吉本興業タレントオーディションで選定された宝塚歌劇団花組出身の愛純もえりさん、桜 稲垣早希さん、一般オーディションで選ばれた俳優が共演する。
公開ゲネプロでは報道陣のほか、市内の小学生150人を招待。小学校高学年向けの内容にもかかわらず、集まった低学年の児童らは1時間の公演に見入り、時折舞台に向かって声を掛けるなど、初めて見るロボットと俳優の共演を楽しんでいた。
同会場のこけら落とし公演でロボット演劇を上演することについて、平田さんは「技術を伝えていくのは日本が弱かった部分。大阪に新しい文楽を誕生させ、大阪でしか見られないコンテンツを育てたい。アジアからこれを楽しみに観光客が来る位のものにしたい」と意気込む。招待した小学生の反応には「5作品目で初めて子ども向けの作品を作ったが、『子どもはロボットが好き』ということに甘えないように作った。高学年向けだが最後までよく見てくれた」と手応えを感じた様子。「ロボットが得意なことは危険なこと。5年以内にはアンドロイドがスタントすることも実現する」と、今後ロボットが関わることでの演劇の変化についても触れた。
公開ゲネプロを終えた吉本興業の桜 稲垣早希さんは「完璧でした。練習通りにできました」と自信満々。ロボットとの共演については「セリフが飛んでも容赦なくしゃべってくるのでアドリブはできない。今日も1回(ロボビーが)しゃべらなくなったので焦った」と難しさに苦戦した様子。
公演は今月2日~12日の全26ステージ。チームA、チームBの2組のキャストで演じる。チケット料金は、大人=2,500円(当日2,800円)、高校生以下=1,000円(同1,200円)。