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働く意志あるニート「レイブル」100人が号外配布-「レイブル」の実態発信

サンプリング開始前に全員で気合いを入れた

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 JR大阪駅周辺で2月10日、ニート状態の若者の中で働く意志のある「レイブル」100人が、レイブルの実態を伝える号外新聞を配布した。主催は大阪府。

大阪駅周辺で号外を配布

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 全国で約60万人、大阪で約5万5000人(2007年就業構造基本調査)が存在するというニート・引きこもり状態の若者。「Not in Education, Employment or Training(教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態)」の頭文字をとって「NEET」と呼ぶが、「怠け者」のイメージが定着しているため、大阪府では働く意志を持つニートの名称を、「遅咲き」を意味する「レイブル」(late bloomer、レイトブルーマーの略)とし、レイブル層の実態を伝え、働きたいが職に就いていない状態の若者を支援するレイブル応援プロジェクト「大阪一丸」を発足した。

 同プロジェクトでは昨年11月、ニート状態の若者から意見を吸い上げる「ニート100人会議」を開催。現在の支援に対する課題を洗い出し、ニート支援制度、課題の解決手段を探ってきた。現在、広報ツールの発行、「レイブル」の雇用経験や採用意欲がある企業を掲載する求人サイト「ハローライフ」の運営、民生委員らに配布する支援ガイドブックの作成など、さまざまな取り組みを展開している。

 ニートの日(2月10日)には、JR大阪駅に100人のニート状態の若者が集合し、同プロジェクトの号外新聞を約3万部配布。背中に「レイブルがニートの歴史を塗り替える」と書かれたおそろいの赤いジャンパーを着用し、通行人に号外を配布した。

 参加した松野陽介さん(23)は、ウェブ制作会社や広告関連企業などの正社員を目指し、大学在学中に100社以上の面接を受けた。しかし内定はもらえず、「甘いと言われるが、やりたいことにこだわっていたので、やりたくない仕事に就き『若い人はすぐに辞める』と言われたくないのでこだわりを持って勉強をしよう」と就職浪人を決意。学校に行く費用はなく独学で勉強を続けたが、「勉強をしているのに友人からは『暇やろ』って言われて悔しいし、会社であれば先輩や同僚に教えてもらうこともできるが1人なので全部自分で解決する時間がもったいないと感じた」と話す。同プロジェクトの職場体験で撮影補助やイベントのアイデア出し、事務補佐などを経験し、「今はアルバイトでもいいので働きたい。もの作りの場を作る仕事、企画系の仕事がしたい」と気持ちが変わったという。

 同プロジェクトを運営するNPO法人スマイルスタイルの塩山諒さんは「生活保護の若年化が進んでいるので働ける環境を作っていきたい。大阪の明るい未来のために、若者のニーズと企業のニーズをくみ取ってマッチングしていきたい」と話す。

 同プロジェクトでは、ポスターを掲示する企業や「ハローライフ」掲載企業を募集している。

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