関西弦楽器製作者協会は7月18日・19日、大阪市中央公会堂(大阪市北区中之島1、TEL 06-6208-2002)で関西弦楽器製作者協会第1回展示会「美しい音色を創り出す職人たちの技」を開催する。
同協会代表者の岩井孝夫さんは、ストラディバリなど有名なバイオリン職人らが暮らした町、伊・クレモナでバイオリン製作を学び、1987年に労働許可を取得。クレモナでIWAI工房を開設しバイオリンを製作販売した。同地では「バイオリン製作者協会が商工会議所と連携し、自分たちで作った楽器を自分たちで販売しているのがすごいと思った」といい、日本に帰国してから同じことをしようと思ったが同士が集まらず、同士を増やすため職人育成をしようと1995年にバイオリン製作学校を設立した。学校は10年間運営し閉校。送り出した21人の卒業生らと組合を作り、製作者が手工国産楽器を弾き手に直接販売できるシステムの構築を目指し活動している。岩井さんも自身の「バイオリン工房クレモナ」だけでバイオリンをはじめとした楽器を製作販売している。
展示会は「自分たちの作っている楽器と音楽愛好家の人々との直接的な出会いの機会を作り、日ごろ行っている製作活動の評価を受けてみよう」と企画したもの。21人の製作者によるバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、弓など計50~60本を展示する。会場での販売は行わないが、「いろいろな種類の楽器を自分の耳で聞いていいものを探してもらえれば」と、通常楽器店では嫌がられるが、自分の楽器を持ち込んで弾き比べができるようにするという。展示するバイオリンの価格は30万円~100万円程度。
岩井さんは「東京では毎年弦楽器フェアが行われるが関西ではない」「イタリアと大阪は似ていて音楽に向いている。音楽が盛んになる風土があるのに環境がない」といい、今後年1回の展示会開催を目指す。
開催時間は、18日=13時~19時30分、19日=10時~19時30分。入場無料。