芸術家・岡本太郎の回顧展「展覧会 岡本太郎」が7月23日、大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4)で始まった。
初公開するパリ時代の太郎作品「作品A」「作品B」「作品C」(右から)©岡本太郎記念現代芸術振興財団
パリで芸術家を目指した青年期から晩年までの約60年にわたり芸術活動を続けた太郎の作品約300点を年代順に6章に分けて紹介する同展。絵画をはじめ写真、パブリックアート、家具など幅広い作品を展示する。大阪を皮切りに、東京・名古屋にも巡回する。
見どころは、太郎がパリ滞在時の初期作品。作品は、第二次世界大戦の戦火で全て消失したとされていた。パリ在住のデザイナーが所有する3点の絵画は、今回の回顧展を機に行った筆跡鑑定で太郎の作品と推定され初公開し、戦後に太郎自身が再制作した「露店」「空間」「痛ましき腕」「コントルポアン」の4点も展示する。
会場には、1970(昭和45)年の大阪万博で建設した「太陽の塔」の50分の1スケールの模型や、現在、東京・渋谷駅に設置されている巨大壁画「明日の神話」の約11メートルの下絵などの代表作をはじめ、晩年に「眼」をモチーフとした作品群のほか、過去に発表した作品に加筆した絵画なども紹介する。大阪会場限定で、ロゴマークをデザインしたプロ野球チーム・近鉄バファローズやレストラン・カーニバルプラザのグッズなどを展示する。
同展を担当した学芸員の大下裕司さんは「岡本芸術の神髄に迫る展覧会。年代順に作品を展示しているので岡本太郎入門編としても楽しんでもらえる。作品を通して岡本太郎という人間を体感してほしい」と呼びかける。
開催時間は10時~18時。入館料は、一般=1,800円、大高生=1,400円。月曜休館(9月19日を除く)。10月2日まで。