西梅田地下歩行者道路玄関口の「水音のエントランス」(大阪市北区梅田2)で12月15日、1年間限定で実施する公共空間活用実験「西梅田 UNDER CARAVAN」が始まった。
西梅田地区のエリア価値向上を目指して実施するもの。大阪市都市再生推進法人準備団体認定制度に基づく「道路上での事業検証」の一環として実施し、エリアの魅力や、就業者の就業環境満足度、事業性など公共空間活用の効果を検証する。主催は西梅田地下道管理協議会(同)で、都市デザイン事務所のハートビートプラン(天神橋1)協力の下、実施。検証結果を基に、2024年春ごろ本施設の開業を目指す。
阪急阪神不動産(芝田1)都市マネジメント事業部梅田まちづくりグループ課長の濵口優作さんは「歩道を活用して1年間の長期イベントを行うことは、われわれにとってもエリアにとっても大きなチャレンジ。1人でも多くの人に足を運んでもらえたら」と呼び掛ける。
約240平方メートルの「水音のエントランス」では、スイーツや生鮮品、テークアウト型の飲食物販を展開するほか、椅子やテーブルなどを設置した休憩スペースを備える。全体コンセプトは「酉(とり)ナ日々。」。「西」梅田と「酉」を掛けたほか、「『酉』の字に含まれる、成熟、酒、鳥の3つ意味を基に、酒と鳥を通じて西梅田に人々が集うことをイメージしている」と濵口さんは話す。
飲食店は、野乃鳥(大阪府池田市)がプロデュースし、コンセプトに合わせて鶏に関連する4店舗が立ち並ぶ。播州地卵を使った「卵香るクリーム」専門店の「ムークリル」では、フランス菓子の「ファーブルトン」を目玉にしたスイーツを販売。そのほか、焼き鳥店「野乃鳥」の唐揚げや総菜を販売する「トリマルシェ」や、ワインやスパークリングを手頃な価格で提供する「西梅田トリバルスタンド 野乃鳥」が出店。パン店「ア・ビアント」は、「西梅田トリバルスタンド 野乃鳥」とコラボしたパンを提供する。野乃鳥の取締役執行委員の井上健治さんは「オープンして間もないが、既にリピーターもいる」と自信を見せる。
井上さんは「西梅田エリアはさまざまな可能性を秘めている場所だと感じている」と期待を寄せ、「西梅田エリアにゆかりのある人にとって、止まり木のような存在になれたらうれしい。人々が交流することで、新しい何かを生み出していけたら」と意気込む。
営業時間はテナントによって異なる。火曜定休。12月31日~2022年1月4日は休業。2022年12月末ごろまで。