「アーティストが集まるカフェ」として知られる、大阪・扇町の「ボダイジュカフェ」(大阪市北区神山町、TEL 06-6361-3303)が、新型コロナウイルスの影響を受け、閉店の危機を迎えている。同カフェゆかりのアーティストらが協力し現在、クラウドファンディングで資金を集めている。
同カフェは、現オーナーの仲村伊太利さんが2001(平成13)年に吹田市でオープン。その後、2007(平成19)年に現在の場所に移転、2021年1月に20周年を迎える。仲村さんは当初芸人を目指しており店内でライブをしたところ、それを聞きつけた仲間がライブなどのイベントを開くようになり、次第にお笑い、音楽、アートなど、さまざまなジャンルのアーティストが集まるようになった。やがて仲村さんは、「(ボダイジュカフェを)アーティストが発表の場として使ってもらえるように」と考えるようになり、2010(平成23)年以降はカフェを飛び出し、ホテルを貸し切って大規模なアートイベントを行うまでになった。
売上は、カフェ利用が35%、イベント利用が65%と、イベントによる売上が多くを占めている。音楽ライブ、演劇、各種パーティー、街コンなど月に最低10回、多い時には15回のイベントがあり、1回あたり40~60人が来店するという。しかしながら2月後半、近隣のライブハウスで新型コロナウイルスのクラスターが発生したことから状況が一変。2~4月に予定していたイベントが全てキャンセルになったほか、5月以降のイベントも全て白紙に。見込んでいた毎月40~60万円の売上が消えたという。そして4月7日に緊急事態宣言が出た後は、カフェ利用も平日は7割減、週末は9割減と激減した。
そこで仲村さんは3月30日から、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」を通じてカフェ存続のための支援を呼びかけた。ゆかりのアーティストらがコメントを寄せ、作品を寄付のお礼として提供。スタートから1週間で支援者は200人を超えた。4~5カ月間イベント開催ができないと考え目標に設定した280万円も間もなく達成する見込み。仲村さんは「夏以降もイベント開催ができない可能性も出てきているので、アーティストの発表の場、ボダイジュカフェ存続のため、皆さまのご協力をよろしくお願いします」と話す。
営業時間は11時30分~18時。