地下街「ホワイティうめだ」(大阪市北区小松原町・堂山町)の東端、泉の広場エリアがリニューアルし、12月5日に飲食店35店がオープンした。運営する大阪地下街の町野和道社長は「食い倒れの街・大阪の新名所にしたい」と意気込む。
施設の老朽化対策と防災機能強化を契機に、従来物販・サービス・飲食が混在していた同エリアを、食に特化した形態に改装した。総工費は58億円。工事中、閉鎖されていた12カ所の入り口は同日朝約7カ月ぶりに開放され、営業開始の11時以降は通路が激しい混雑となった。
新エリアの総面積は8864平方メートル、営業面積は3165平方メートル。中心部の「泉の広場ゾーン」に5店、北へ延びる「NOMOKA(ノモカ)」に17店、西へ延びる「扇町ゾーン」に13店が出店した。地上にある曽根崎のグルメスポットとの差別化を狙い、独自色を出した店舗構成が特徴。
ローマ軒を展開するベレット(北区)が運営する「橙ポン酢製作所」は、ポン酢と柑橘に焦点を当てた新業態1号店。福萬醤油のしょうゆとだし、和歌山県産のユズを使い店内でポン酢を製造している。「名物橙鍋」(1.5人前=920円)や「土佐極鶏の唐揚げ」(530円)のほか、串カツや昆布〆などを提供。同社の鮎川博さんは「世の中にポン酢好きは多いので成功する自信がある。さらに店を増やしていきたい」と話す。
そのほか、だし茶づけ専門店「暫(しばらく)」や豚汁専門店「ごちとん」、大阪うどん「うどん王」、台湾ギョーザバル「台北餃子張記」、「大阪トンテキ」「焼鳥 川北商店」「沖縄酒場 あしびなー」「漁師酒場 あらき」「洋食と洋酒 エイト8」「グランポレール ワインバー OSAKA」など特色ある飲食店が軒を連ねる。
噴水を撤去した泉の広場には、樹木に見立てた新たなシンボル「Water Tree」を設置した。鏡面仕上げのステンレスで枝葉を表現し、LED照明を反射させる。四季をテーマに春は桜色、秋はオレンジ色など基調色を変えるほか、夜間には泉を象徴する青い照明で水の揺らぎを映写する。制作はネイキッド(東京都渋谷区)。
町野社長は「大阪の食文化を感じられる歩いて楽しい道。新しい道として出発したい」と話す。
営業時間は10時~22時(「ノモカ」は11時~23時、「チカミセ」は21時まで)。