上方落語の演題からヒントを得た和菓子を販売する「御菓子司 薫々堂(くんくんどう)」(大阪市北区天神橋3、TEL 06-6351-0375)は7月28日から、夏季限定でくずきり「千両みかん」の販売を始めた。
落語「千両みかん」は、季節はずれのミカンに千両という高価な値が付き、のれん分けを目前に控えた番頭が、10房のうち残った3房を「これで三百両分」と考え持ち逃げするという話。
同店は昨年の夏、缶詰のミカン3房を入れ寒天で固めた錦玉羹(きんぎょくかん)「三百両」を販売していたが、「思うようなサイズのミカンの調達が難しい」(同店の林喜久社長)と、今年はミカン果汁入りの蜜(みつ)に浮かべたくずきりで、商品名も落語のタイトルと同じ「千両みかん」に変更した。
林社長は上方落語の大ファンで、これまで「ちりとてちん」(どら焼き)、「寅ちゃんのみたらし」(みたらし団子)など、期間限定で落語の和菓子の販売を行なってきた。落語の定席「天満天神繁昌亭」(天神橋2)も近く、「繁昌亭に行く落語好きな人や常連客は新しい商品をいち早くチェックしてくれているようで、『次は何?』と聞かれたりもする。落語の内容は知らない人でも興味を持ってくれるとうれしい」と話す。
商品パッケージには「繁」の文字をプリントしている。繁昌亭の土産物コーナーでも販売する「繁昌亭せんべい」を製造する同店は「季節を感じる商品もあれば」と、繁昌亭でも「千両みかん」を販売する予定で調整を進めている。
価格は1個265円、繁昌亭では3個入り945円(箱代込み)。9月15日ごろまで販売予定。営業時間は9時30分~19時。火曜定休。
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