阪急交通社(大阪市北区)は4月1日、東西各12日間の「日本一周の旅」を提供する豪華バス「クリスタルクルーザー 菫(すみれ)」の運行を開始した。
外装は阪急電車を想起させるえび茶(マルーン)色、車内は長旅に配慮した居心地と、開放感にこだわった。席数は横3列×6列の計18席。通常は45席程度を設けられる広さという。椅子の前後間隔は122センチ、席幅は51センチ。開発にほぼ1年を要したというシートは、最大角度129度まで調節できる。荷物棚を廃止し、カーテンをロールスクリーンに替えて眺望を確保した。
デザインは、JR東日本の豪華列車「四季島(しきしま)」を手掛けた「KEN OKUYAMA DESIGN」(東京都渋谷区)が担当。
当面はバス2台で東京発「東日本編」と大阪発「西日本編」の2コース(各12日間、各コース1人=約100万円)を展開する。JR新大阪駅発の西日本編では、城崎温泉や玉造温泉、指宿温泉など近畿から山陰、九州にかけての名湯を巡る旅をする。
阪急交通社の松田誠司社長は、菫の開発経緯について「JR列車の『グランクラス』が当社でも人気。飛行機のビジネスクラスも利用が増えている。高級さや、ゆとりを求める客の志向が背景にある」と話す。
2019年秋以降には、菫と星野リゾートの温泉旅館「界」との共同企画も予定している。