京阪電車なにわ橋駅地下1階の展示スペース「アートエリアB1」で現在、企画展「鉄道芸術祭」が開催されている。
中之島線が開業した2008年10月に文化・芸術振興や地域交流を目的として開設された同スペース。広さ約440平方メートルの空間で鉄道に関するさまざまな企画展が開かれている。8回目となる同展は「鉄道と都市計画」がテーマ。3組のアーティストがそれぞれ2次元(平面)・3次元(立体)・4次元(仮想現実)で都市の課題や現実を表現する。
会場中央に展示した幅25メートルほどの木製ローラーコースターは、オランダ出身アーティストのオスカー・ピータースさんが制作した立体作品「Underground」。鉄道や道路の軌道を連想させる都市の空間構造を、コースターを使って立体的に表現したという。五月人形や張り子の猫を載せた約50センチ四方のトロッコが上下に振られながら、勢いよく会場内を駆け巡る。
京都・東京を拠点に活動するアーティストユニット「ザ・コピー・トラベラーズ」は、中之島周辺の風景写真と雑誌の切り抜きなどをコラージュした平面作品で、アーティストが見た都市の風景を描いた。
立命館大学映像学部教授でゲーム作家の飯田和敏さんは、仮想現実の世界で都市生活者の在り方についてのヒントを提供する。会場内のコーナーでは1999年に「NINTENDO64 DD」で発売されたゲーム「巨人のドシン」を試遊展示するほか、制作中のVRゲーム「水没オシマイ都市」をデモ展示する。
アートエリアB1事務局の清澤暁子さんは「現代美術の難しいイメージを覆す空間になった。美術館でもギャラリーでもないスペースなのでできたのでは。近隣のオフィスワーカーをはじめ、子どもから大人まで多くの人に見てほしい」と呼び掛ける。
開館時間は12時~19時(12月14日~24日は21時まで)。月曜、12月30日~2019年1月7日休館。入場無料。1月27日まで。