グランフロント大阪(大阪市北区大深町3)北館4階の積水ハウス「住ムフムラボ」内で2月8日、完全な暗闇空間で視覚障がい者の日常生活を追体験するプログラム「LOVE IN THE DARK」が始まった。
会場は、光を完全に遮断した空間「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。「アテンド」と呼ばれる視覚障がい者のサポートのもと、白杖(はくじょう)を持ち、視覚に頼らない生活を体験するもので、1988年にドイツのアンドレアス・ハイネッケ博士が発案した。これまでヨーロッパやアジアなどの世界41カ国以上で開催されている。
「愛=LOVE」をテーマにした今回のプログラムは、参加者(各回6人まで)が家族という設定。住居を再現した暗闇の中を白杖で探りながら進む。「扉を開けた」「段差がある」など声を掛け合って室内を巡るほか、テーブルを囲んだり、「愛」について話し合ったりする。
アテンド担当の矢部弘毅さんは「暗闇の中ではコミュニケーションが活発になりやすい。参加中は、触ったものや感じたもの、聞いたものなどをどんどん声に出してもらいたい」と話す。体験者からは「見えなくても感じることが多くあった。まだ体験したことのない人に勧めたい」や「知ることのうれしさを実感した」「また参加したい」などの声が上がった。
同スペースは、2013年4月に開設した国内唯一の常設会場。これまで約1万5000人が参加した。クリスマスやお正月など季節ごとに異なるプログラムを構成している。
所要時間は約70分。開催時間は、11時~、12時30分~、14時~、15時30分~、17時~の1日5回。料金は、大人=3,500円、学生=2,500円、小学生=1,500円の完全予約制。火曜・水曜定休。3月26日まで。