関西地域に韓国文化を紹介する大阪韓国文化院(大阪市北区中崎2、TEL 06-6292-8760)で4月14日、日本政府による創氏改名政策をテーマにした舞台「族譜(チョッポ)」の関西公演に先立ち会見が行われた。
「族譜」とは、韓国で代々の当主が家系図とともにそれぞれの時代の出来事を書き残して子孫に伝えるものを指す。同公演は、昭和15年の朝鮮を背景に、「一族の当主として創氏改名に応じられない」とする「薛鎮永(ソル・ジニョン)」が主人公の物語で、朝鮮に生まれた小説家・故梶山季之氏の同名小説が原作。
1978年に韓国で映画化され、日本では2006年にジェームス三木さん脚本・演出、「青年劇場」制作で舞台化、東京などで上演された。2007年の再演を経て、今年6月から全国で公演される。関西エリアでは6月に大阪市、堺市、和歌山市など全7公演、10月に大津市で1公演を予定。
会見でジェームス三木さんは「国家、植民地、教育とは何かを考えさせられる原作。(脚本化にあたって)それを生かせるように書いた。重いテーマだが事実として知ってほしいこと」と話した。
劇中では、韓国伝統民謡の「アリラン」「トラジ」、伝統的な子どもの遊び「ノルティギ(板のり)」のほか、舞台美術や衣装などでも韓国文化の奥深さを描き出し、俳優らによるアンサンブルで劇団ならではの演出も施されている。ジェームス三木さんは「舞台は五感で感じるもの。テレビでは味わえない心地よさを感じに劇場に足を運んでほしい」と舞台の魅力をアピールした。
関西公演のチケットは、前売り=4,000円(当日券4,500円)、高校生以下2,000円。