国立国際美術館(大阪市北区中之島4、TEL 050-5542-8600=ハローダイヤル)で2月26日から、「エミリー・ウングワレー展 ~アボリジニが生んだ天才画家~」が開催される。
同展は、オーストラリアの先住民族アボリジニを代表する画家で、「20世紀が生んだもっとも偉大な抽象画家の一人」といわれるエミリー・カーメ・ウングワレー(1910ごろ-1996)の主要作品約120点を、エミリー研究の第一人者であるオーストラリア国立博物館のマーゴ・ニールさんの監修により、日本で初めて本格的に紹介するもの。
オーストラリア中央部の砂漠で生涯を送ったエミリーさんは、数十年にわたり身体や砂に装飾的な模様を描き続け、1977年からはろうけつ染めで表現、1988年からはカンバスに描き始め、1996年に86歳で没するまでの8年間で約3,000点もの作品を制作したという。初めてカンバスに描いた作品「エミューの女」(1988-89、ホームズ・ア・コート・コレクション蔵)が世間に衝撃を与え、エミリーさんの作品は過去10年余りの間に100を越える展覧会に出品され、1998年にはオーストラリア国内の主要な美術館を巡回する大規模な回顧展も開催された。
同展では、西洋美術とは全く無縁の環境から生み出されたとは信じがたい、極めてモダンで革新的なエミリーさんの世界を「原点」「点描」「身体に描かれた線」「色彩主義」「ヤムイモ」「神聖な草」と、年代やテーマに沿った6つの章で構成し紹介する。3月1日には、同展を監修したマーゴ・ニールさんの記念講演会があり、エミリー・ウングワレーの芸術世界について解説を行う。
開館時間は10時~17時(金曜は19時まで)。月曜休館。観覧料は、一般=1,300円、大学生=1,000円、高校生=600円。4月13日まで。5月28日から7月28日までは国立新美術館で開催される。