「ASJ UMEDA CELL」(大阪市北区角田町、梅田阪急ビルオフィスタワー24階)で2月18日、建築に今何が可能かを問う展覧会「1.17/3.11 明日への建築展」が始まった。主催は関西を拠点とする建築家らで構成する実行委員会。
1.17、3.11をテーマに「震災を経験した関西の建築家は、関東とは違う思考を持つのでは」と企画した同展。「失われた街 3.11のための鎮魂の復元模型」「明日への建築32」「1.17の記録:『希望新聞』」「阪神・淡路大震災+クリエイティブ/タイムライン・マッピングプロジェクト」で構成し、「自然とどう向き合うか、どういう形で建築家が必要とされるか」を語り合う場を目指した。
神戸大学の槻橋修准教授と同大学の学生らが「被災地に行けなくてもできることはないか」と企画した「『失われた街』模型復元プロジェクト」。13大学、250人以上の学生ボランティアが携わり、福島、宮城、岩手の14被災地域を再現した。「地図、航空写真、街の人の写真など何種類もの資料を基に、なるべく正確に再現した」といい、サイズは1メートル×1メートル、縮尺は500分の一。「1軒1軒、人が住んでいた家だと体感してもらえるのでは」と話す。
復元模型の周りには、関西を拠点とする建築家32人による復興に向けた建築や街づくりの提案を展示。「1.17を経験している建築家が多く、一個人としてアクションを起こした人、復興に際して提案をした経験のある人を集めた」と建築家の梅林克さん。「関西の建築家は一匹おおかみ的な活動をしている人が多く、集まって何かをするのは初めて。建築展としても見応えがあるので、一般から学生まで幅広くお越しいただければ」と話す。
阪神・淡路大震災発生の2日後、毎日新聞が被災地に向け発行した「希望新聞」の展示や、同震災後のデザインやアート、建築などの取り組みをまとめた展示なども行う。
3月3日には、出展建築家が登壇するシンポジウム「明日への建築ミーティング~震災復興と地球環境~」を大阪国際会議場で開催。同11日には、追悼演劇公演やディスカッション、ピアノコンサートを行う「3.11から明日の都市へ~東日本大震災追悼の集い~」を開催する。
展覧会の開催時間は11時~19時。入場無料。3月12日まで。シンポジウムの申し込み方法はホームページで確認できる。