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エリア特集2015-04-01

国内最大級の駅型商業施設が誕生
復活なるか?「ルクア イーレ」徹底レポート

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JR西日本SC開発の商業施設「LUCUA 1100(ルクア イーレ)」が4月2日、JR大阪駅のノースゲートビルディング西館にグランドオープンする。店舗数は158店、店舗面積は約3万3000平方メートル。既存の東館「ルクア」(202店)と合わせて「LUCUA osaka」を構成し、駅型では国内最大級の店舗数360店、売り場面積約5万3000平方メートルを持つ商業施設が誕生する。

主なターゲットは、既存ルクアの利用者層である20歳代前半より一段高い、30~40代のファッション感度の高い男女。リニューアル前のJR大阪三越伊勢丹で採用していた百貨店戦略を大きく見直し、「買ったものが百貨店の商品だったと後で気が付くような」気軽に入店できる雰囲気づくりに力を尽くした。ルクアとルクア イーレの2施設を合わせて、初年度に売上高770億円、来場者数7000万人を目指す。

■目指すは百貨店と専門店の融合

「ルクア イーレでは、専門店と百貨店を正しい形に融合させようとした。利用客の様々なニーズを改めて把握して分析すると、抜本的な改装をせざるを得なかった」

商業開発を手掛けたJR西日本SC開発の山口正人社長はリニューアルの狙いをこう説明した。

名称の「イーレ」は「1100」に当てて読んだもので、専門店の「1000」と百貨店の「100」の融合を目指すコンセプトが込められている。ルクア イーレの前身であるJR大阪三越伊勢丹は2011年5月にオープンしたが、わずか4年で撤退。ルクアを成功に導いたJR西日本SC開発が東西両館を一体的に運営することになり、約60億円を投資して新たな商業施設に甦らせた。

■「自分たちの〇〇」から脱却

旧JR大阪三越伊勢丹が開業時に示した戦略は、「伊勢丹の『ファッション提案力』や三越の『文化・芸術性』などの『強み』や『らしさ』を最大限に発揮」する商業施設。「自分たちの〇〇」を標ぼうし、大阪をはじめとする関西圏の人たちに新しい暮らしを提案した。しかしその結果は、商業施設の世界では珍しい、数字の上でもはっきりとわかるほどの「惨敗」。売上高は開業時に掲げた目標の540億円に遠く及ばない300億円強にとどまり、運営会社のジェイアール西日本伊勢丹は債務超過に陥った。

JR西日本SC開発は、百貨店の売り場面積を従来の4割に縮小し、8つの「isetan」ショップに分割した。各店はそれぞれ、食品、アクセサリー、シューズ&バッグ、シーズン雑貨、ファッション雑貨、コスメ、レディス&メンズ、メンズに商品群を特化しており、そのアイテム編集力や、上質な品ぞろえで複数フロアの随所に存在感を示している。

ジェイアール西日本伊勢丹の瀬良知也社長は開業前の取材で、「各ショップが存在感や独自性を発揮しながら、館全体の魅力に貢献していくという新しいビジネスモデル。どこからが百貨店なのか、お客がわからないくらいの融合に成功している」と期待感を示した。

■スタバ、カルディが流れを作る

ルクア イーレの開発にあたってJR西日本SC開発は、ルクアで好評だったマーケティング手法を採用し、客の買い回り実態をよく観察した。その結果から、同社は従来の百貨店色を全面に出した商業施設のままでは集客が難しいと判断。一方で百貨店が扱う個々の商品に対する評価は高かったことから、潜在消費者に「敷居が高い」と感じさせる要素を取り除き、まずは施設内に人を呼び込む戦略に転換した。

その最も象徴的なフロアが、メーンエントランスのある2階だ。通常、百貨店では正面玄関を入ってすぐの区画には有名ブランドの服飾雑貨が入るのがセオリーだが、ルクア イーレでは「青山フラワーマーケット」や、持ち帰り専門業態の「スターバックス コーヒー アトリウムガーデン」、カフェ・チョコレート店「マックス ブレナー チョコレートバー」といった店が客を出迎える。

さらにその先に、アーバンリサーチが初めて手がける食のセレクトショップ「タイニーガーデンフーズ アーバンリサーチ」や、サンリオの「キキ&ララ ~ゆめ星雲 おもいやり星~」、中川政七商店の「日本市」など、プチギフトに最適な雑貨や菓子、食品、食器が手に入るテナント群を展開。服飾雑貨ではなく、食べたら消える、あげたら消える食品やギフトを扱うことで、ターゲットである30~40代が入店時の堅苦しさを感じずにすむよう工夫している。

さらに秀逸なのは、同じ2階フロアのもっとも奥に輸入食品店の「カルディ コーヒーファーム」を配置してあることだ。「isetan」などと軒を連ねながら店舗オペレーションは他所と全く変わらず、店頭でのコーヒー試飲まで行っている。このカルディが、全館の基調を決定づける重要な要素として、6階の「オールドネイビー」や「フォーエバー21」に向かう流れを作っている。同じ客層は、地下2階「バルチカ」にあるメキシコ屋台料理「墨国回転鶏料理」や、8階の「無印良品」や「フランフラン」、さらには5月8日に開業する9階の「梅田 蔦屋書店」にも流れると予想される。

■女子同士でも、カップルでも訪れやすく

地下2階に新たに設けた「バルチカ」は、これまでの大阪駅にはなかった女性が気軽に利用できる隠れ家的飲食ゾーン。最大の特長は営業時間が24時までと終電間際まで利用できる点で、急げば店からJRの改札口まで約3分で到着することも可能だ。食堂車をイメージしたレトロな雰囲気の店内で食べる独創的なスパイスカレー店「旧ヤム鐵道」や、ソース料理とワインが楽しめる店「赤白 コウハク」、ラーメン激戦区博多を勝ち抜いた豚骨ラーメン店「博多新風 ラーメン食堂」など個性的な9店が集まっており、女子会にも最適。

また、3~8階にはルクアで支持が高いレディス&メンズの複合ショップを集積させており、カップルでもショッピングを楽しめるようにしている。

「これまで専門店になじんだ人がだんだん上の世代になってきた。そういう人にとってたいへん魅力的な専門店が揃ったのではないかと思っている」と山口社長は話している。

敷居を低く、腰を低くしたルクア イーレ。大阪人の気質は判官贔屓といわれる。地域の人の心をうまくつかめれば、惨敗からの大逆転も不可能ではない。

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