JR西日本は12月8日、大阪環状線に新型車両「323系」を2016年度から投入すると発表した。
同社では2013年度から、大阪環状線のイメージアップと利用客の満足度向上を目的とした「大阪環状線改造プロジェクト」を実施。高架下商業施設「ビエラ玉造」の開業や、駅のイメージに合わせた発車メロディーの導入、駅のトイレやホームの美装を手掛けてきた。
記者会見では、環状線の開業以来初めて環状線のために開発する新型車両323系の概要を発表。「安全・安心の向上」「機器の信頼性向上」「情報提供の充実」「人にやさしい快適な車内空間」の4つのコンセプトを据え、外観は大阪環状線の車両として長年親しまれてきたオレンジ色を基調とした。投入線区は大阪環状線・JRゆめ咲線で、投入車両数は168両。2016年~2018年に順次投入し、国鉄時代に製造された大阪環状線内の103系・201系通勤形電車を全て置き換える。
同車両の最高運転速度は時速100キロ、扉数は3枚扉で、ロングシートを採用。万が一、運転士が意識を失うなどの事態が発生した場合に自動的に列車を停止させる「EB-N形装置」や、戸先にあるゴム内の圧力変動を検知して戸挟み状態を認識する「戸挟み検知装置」を導入するほか、JR西日本の車両で初めて案内ディスプレーを1車両8カ所16画面設置。英語、韓国語、中国語、日本語の4カ国で表記する。混雑することが予想される先頭車両のみ出入り口のスペースを拡大したり、各車両に車椅子、ベビーカースペース、優先座席の個別袖仕切りを設けたりするなど、車内空間の快適性向上とバリアフリー強化に取り組む。