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「堂島リバービエンナーレ」が開幕-アーティストと建築家がコラボ

アーティストと建築家がコラボレーションした作品が点在する

アーティストと建築家がコラボレーションした作品が点在する

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 堂島リバーフォーラム(大阪市福島区福島1、TEL 06-6341-0115)で7月23日、展覧会「堂島リバービエンナーレ2011 『ECOSOPHIA(エコソフィア)』~アートと建築~」が始まった。

森万里子さんと隅研吾さんによる「ホワイトホール」

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 2009年、森美術館館長・南條史生さんをアートディレクターに迎え「リフレクション:アートに見る世界の今」を開催した同展。2回目となる今回は、青森県立美術館チーフキュレーターの飯田高誉さんをアーティスティックディレクターに迎え、「ECOSOPHIA」と題した展示を行う。「エコソフィア」は、エコロジーとフィロソフィアを組み合わせた造語。東日本大震災を受け止め、フランスの哲学者フェリックス・ガタリが「三つのエコロジー」で提唱する「自然との共生」「心理状態」「社会情勢」の3方向から、これからの地球のあり方をアーティスト、建築家の作品を通じて考察する場とした。

 作品は、それぞれアーティストと建築家がコラボレーションしたもので、「気圏」「水圏」「地圏」の3エリアに分類。「会場全体で未来に向けての地球のビジョン、新たな自然観、世界像を見せたい」と、プロデューサーの古久保ひかりさん。空間構成を担当したJTQ谷川じゅんじさんは「レゾナンス(共鳴)をテーマにパワフルな作家が集まっている。どのような状態で共存しているかを見てもらいたい」と話す。会場には、坂本龍一さんが同展のために書き下ろしたオリジナル曲が流れる。

 会場中央には、飯田さんが「何とか日本に持っていき紹介したいと思っていた」というアニッシュ・カプーアの建築プロジェクト「PLACE/NO PLACE」の建築マケット(模型)31点が点在。「気圏」では、アーティスト・森万里子さんと建築家・隅研吾さんによる「ホワイトホール」を展示。ブラックホールにのみ込まれた星がホワイトホールによって再生されていく事象を作品化したもので、森さんは「再生していく状態を映像化した。この時期に一つのメッセージを持って、再生に向かってエネルギーを出して行けたら」と話す。

 「水圏」では、アーティスト・杉本博司さんの作品「海景」シリーズのイメージを基にした映像作品を、3トンものガラスを使った空間で上映。杉本さんは「1分間に40~50枚の写真を連鎖させ、イリュージョンを表現したかった」、永山さんは「会場全体に水平線を作れれば」と話す。「地圏」では、原発問題で避難している人たちのための街「リトルフクシマ」を設計したという藤村龍至さんの模型や、4月20日に浪江町で撮影した映像に音を付けた「Namie0420」を展示。渋谷慶一郎さんは「ほぼ唯一の動きである黄色信号の点滅に同期させた音、撮影時に収録した音を入れた」、新津保建秀さんは「住人がいなくなって、2万人弱の街から人がいなくなった時の無音状態の不気味さを感じた」と話す。

 同展には16組が作品を出品。ホール1階、2階、エントランス、4階にも作品を展示する。

 開館時間は11時~20時。入場料は、一般=1,000円、高校・大学生=700円、小中学生=500円。8月21日まで。

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