ソーシャルネットワーク大阪(以下SNO)実行委員会は5月17日、5月の始動を記念したキックオフイベント「SNOキックオフミーティング つながりまっせ大阪」を東急ハンズ梅田店内ハンズカフェ(大阪市北区梅田3)で開催した。
SNOは、大阪市がLLPアートサポート(大阪市立芸術創造館指定管理者)、角川マーケティングと共同で進める、ソーシャルメディアを使い、人・団体・行政などのさらなるつながりを創造する参加型プロジェクト。平松邦夫大阪市長から「若い人に行政に関心を持ってもらえるようなことがしたい」と相談されたアートサポートの小原啓渡さんが、「市長は早くからツイッターをしているし、SNSを取り入れていけばいいのでは」と提案。「行政色が出すぎると若い人は引くので、関西ウォーカーに顔になってもらい、切り口を変えて放送する形にした」(小原さん)
同委員会では、大阪市立芸術創造館メディアルーム(大阪市旭区)にユーストリーム配信機材を備えた放送局を立ち上げ、自主制作番組や大阪を中心とした関西の定期放送番組、イベントや公演の中継、災害情報などのユーストリーム番組を収集しポータル化。ホームページには1週間ごとの番組表を掲載する。番組も募集し、大阪市在住または大阪を拠点に活動をしている人の登録を受け付けている。
キックオフミーティングでは、メディアジャーナリストの津田大介さん、平松市長、SNOプロデューサーの小原啓渡さん、関西ウォーカー編集長の玉置泰紀さんをパネラーに迎え、第1部「一般社会とSNSの関わり方」をテーマにトークを展開。
昨年5月からツイッターを始めた平松市長は、iPadでコメントをチェックしながら参加。「これまで自分たちが持っているメディアでは発信しても届かなかった。尊敬する人のフォロワーになりたくて始めた」といい、「市長の発信している情報の入口に使いたい」「今回の震災ではテレビ局など、大手がソーシャルネットワークの力を認識したと思う。行政が深入りするとよくないので、まずは情報を発信し、SNOを市民の皆さんにお祭りをしてもらう場にしていきたい」などと話した。
第2部の「アートによる大阪の街づくり」には、現代美術家の椿昇さん、ヤノベケンジさんも参加。ヤノベさんは2009年に行われた水都大阪での例を紹介し、その取り組みから大阪府が進める「おおさかカンヴァス推進事業」が始まったと説明。椿さんは東日本大震災の復興へ向けたプロジェクト「VITAL FOOT PROJECT」を紹介。災害物資を届ける自転車用トレーラーを製造し、寄付希望者を募り基金を集める活動を行っている。話題は震災とソーシャルメディアに移り、平松市長に「デジタルデバイドをなくすために、65歳以上のiPad購入者には補助してほしい」と要望するなど独自の持論を展開した。
同放送局では今後、障害者によるカルチャーやファッションの情報番組「バリアフリーラボ」、今月8日に行われた「御堂筋オープンフェスタ2011」のダイジェスト番組、日本橋エリアの情報を届ける「pontabtv」などの放送を予定する。