大阪でタクシー・ライドシェア事業を行うnewmo株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:青柳直樹、以下newmo)は、2025年4月から開催される大阪・関西万博での移動需要の高まりに対応するため大阪にて日本版ライドシェアの24時間運行が解禁されたことを受け、ライドシェアに関する緊急意識調査を実施いたしました。
2025年4月に開幕する大阪・関西万博では、国内外から約2,820万人の来場が見込まれており、移動需要が高まることから大阪府・大阪市は府内で1日当たり最大約1,880台のタクシーと約3,250人のドライバーが不足するとしています(引用:大阪府・大阪市提出資料 2024年8月9日「万博期間中のライドシェアのさらなる緩和に向けて」)
この状況を受け、2024年12月、国交省と大阪府・大阪市は、万博期間中における24時間・大阪府全域での「日本版ライドシェア」運行にむけて合意しました。さらに2024年12月下旬より試行実施として、全国で初めて24時間・大阪府内全域での運行が可能となりました。
本調査では、関西エリア在住の1,200名の方にライドシェアの利用意向やイメージを伺うとともに、万博でのライドシェア導入に関する意見や期待する効果について伺いました。本調査結果を通じて、ライドシェアの持つ可能性や課題について考察します。
調査サマリー
・大阪府民の6割が「万博でのライドシェア導入」に賛成、反対意見は1割
・万博でのライドシェア導入への期待上位は「タクシー待ち時間の短縮」「タクシー車両不足の解消」
・ライドシェアの利用意向がある人は5割超だが、国内外のライドシェア利用経験者に限ると8割がライドシェア利用に前向き。過去のライドシェア利用経験有無により、大きな差が見られる
・ライドシェアドライバーのスキルや安全性、トラブル対応等に関する懸念は、主にライドシェア利用未経験者から挙がっており、利用経験者がそれらを懸念する割合は1割程度
・ライドシェアを利用したくないと回答した人の半数以上が「事故時にはタクシー会社が補償や対応を行う」「ドライバーになるための国が定めた条件がある」などの条件下では利用意向が高まると回答。これらは「日本版ライドシェア」ですでに義務付けられている内容であり、普及に向けては認知・理解の向上が課題
調査結果
??万博でのライドシェア導入に対する意向
大阪府民の6割が「万博中のライドシェア導入に賛成」と回答。関西全体でも同様の傾向が見られ、反対意見は1割程度。
回答者数:ALL (1,200名)うち大阪府民664名
??万博期間中に想定される交通課題・ライドシェアの期待効果
道路渋滞や電車の混雑への懸念もあるが、移動の足がなくなることを危惧する声も多く、ライドシェアはそれらを解決できる手段であるとの期待が多数。
(1)万博期間中に問題になりそうなこと
- 道路渋滞、交通の混雑
- 電車の混雑、遅延
- 移動の足がなくなる(タクシーがつかまらないなど)
回答者数:ALL(1,200名)、多い順に並び替え
(2)万博でのライドシェア導入で期待される効果
- タクシー待ち時間の短縮
- タクシー車両不足の解消
- 働き手(タクシードライバー)不足の解消
回答者数:ALL(1,200名)、多い順に並び替え
??ライドシェアの利用意向
(1)ライドシェアの利用意向
日本国内でライドシェアの利用意向がある人は5割超。国内外でのライドシェア利用経験者に限ると8割がライドシェア利用に前向きな一方、未経験者では半数以下(45.3%)と、過去のライドシェア利用経験有無により、大きな差が生じている。
回答者数:ALL(1,200名)
回答者数:ライドシェア利用経験者 296名、利用未経験者 904名
(2)利用意向の理由
「ドライバーの経験・スキルが不安」等の不安要素を抑え、「移動手段が増える・便利になる」ことが上位に。「タクシーがつかまらない」課題解消への期待も。
※1位の「費用を抑えられるから」については、日本版ライドシェアはタクシーとほぼ同様の料金のため、海外で利用した際のイメージの可能性がある。
回答者数:949名(ライドシェア利用意向を「どちらでもない・よくわからない」と回答した人を除く)、多い順に並び替え
本設問についても、ライドシェア利用経験者と未経験者で回答を分類すると大きな差異が生じる項目もみられた。
- ライドシェア利用経験者の方が10%以上高い項目
- - 手配が手軽だから
- - 車両が選べるから
- - 荷物をたくさん積めるから
- ライドシェア未経験者の方が10%以上高い項目
- - ドライバーの経験やスキルが不安だから
- - タクシーの方が安心/使い慣れているから
- - 事故時等の対応が不安だから
- - どんな車両がくるかわからないから
回答者数:ライドシェア利用経験者 262名、利用未経験者 687名(ライドシェア利用意向を「どちらでもない・よくわからない」と回答した人を除く)、 「ライドシェア利用経験者」で多い順に並び替え
(3)ライドシェアに対するイメージ
ライドシェアはタクシードライバー不足の解消や、タクシーがつかまらない時の移動手段として考えられている。
回答者数:ALL(1,200名)、多い順に並び替え
??ライドシェアの普及に向けた課題
(1)政府やライドシェア運営企業に求められること
「ドライバー選考の厳格化」「トラブル対応の窓口設置」「ドライバーの研修制度」などの安全管理がポイントになると考えられている。
回答者数:ALL(1,200名)、多い順に並び替え
(2)「ライドシェアの利用を検討しない」回答者に聞いた、利用意向が高まる条件
以下の条件下では半数以上が利用意向を示した。
- ドライバーになるための国が定めた条件がある
- ライドシェアドライバーはタクシー会社が雇用している
- ドライバーは採用時に運転のスキルチェックや適性診断を受けている
- 運賃が配車時に確定する
- 事故時にはタクシー会社が事故対応や補償対応を行う
回答者数:299名(ライドシェアを利用したくないと回答した人のみ)
総括
調査結果から、大阪府民をはじめとする市民の間で、万博期間中のライドシェア導入に対する賛成割合は6割と高いことが確認されました。
一方で、ライドシェアに対する不安や懸念の声も1~2割ほどみられ、それらは安全性や運行管理に関する正確な情報が十分に浸透していないことに起因する可能性があります。
例えば「ライドシェアドライバーになるための国が定めた条件がある」「ライドシェアドライバーはタクシー会社が雇用している」などの条件下では半数以上が利用意向が高まると回答しましたが、「日本版ライドシェア」はタクシー会社の管理のもと運行することが定められており、ドライバーの管理や安全対策についてはタクシーと同等のレベルを求められており、先述の条件下での運行が実現しています。(※1 ※2)
よって、「日本版ライドシェア」の実態について正しく認知・理解されていないことが市民の懸念や不安に繋がっている可能性があり、万博でのライドシェア普及に向けての課題と考えられます。
また、ライドシェア導入に際しドライバーのスキルや安全性、トラブル対応等に関する懸念は、主にライドシェア利用未経験者から挙がっており、国内外でのライドシェア利用経験者がそれらについて懸念する割合は1割程度と、利用経験の有無によってもライドシェアのイメージや利用意向に大きな差異が見られることが明らかになりました。今後、万博開催地の大阪や日本国内においてライドシェア利用経験者が増加することにより、ライドシェアのイメージや利用意向に変化が現れると考えられます。
※1 「日本版ライドシェア」とは
2024年4月から開始された、地域交通の「担い手」「移動の足」不足解消のため、タクシー事業者の管理の下で、一般のドライバーが自家用車を使って有償で乗客の送迎を可能とする制度。以下のような条件下でのみ運行が許可されている。
- タクシーが不足しているとみなされた地域・時間帯のみ運行が可能
- 配車アプリ等で目的地を事前に確定した場合のみ利用が可能
- 料金は事前に確定し、運賃はタクシーと同水準。支払い方法はキャッシュレスのみ
- ドライバーはタクシー会社が雇用する形態のみ認められ、免許停止等の処分を受けていないことや、使用する車に衝突軽減ブレーキの装備があることなど諸条件を規定
- 運行の際はタクシー会社が教育、車両整備、勤務時間管理、運行前後の点呼など運行管理を行う
- 事故時に備えタクシー同等の補償(対人8,000万円以上及び対物200万円以上の任意保険または共済への加入)が義務
参考:国土交通省 日本版ライドシェア(自家用車活用事業)関係情報
※2 newmoでは安心・安全なライドシェアサービスの提供のための取り組みを実施しています。
(参考)「newmoの安心・安全なライドシェアのための取り組み」 より抜粋
- ライドシェアドライバー選考基準の徹底(実技試験の実施)
- - 選考基準は人物、車両状況、運転技術の3点で、それぞれを判断するために、面接、車両点検、実際の車を使った運転技術確認、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)での適性診断受講などを実施しています。
- オンラインとオフラインを織り交ぜた研修の実施
- - 安全な運行に向けて、newmoが準備する研修を受講いただきます。国土交通省の定める講習内容を学び、理解度の確認も実施いたします。具体的には、運行にあたり注意すべきこと、アプリの使い方、接客対応方法、車両管理や日常点検の方法、緊急時の対応方法、ライドシェアドライバーの身を守るための防犯対策などがあげられます。
- 運行前後の点呼の実施
- - ライドシェアドライバーとして運転する前には、毎回運行管理者(補助者含む)による点呼を行っています。生体認証による本人確認を実施後、ビデオ通話で顔を合わせ、体調や稼働前の十分な休息の確認、アルコールチェックや体温の確認を行います。
- - 特にアルコールチェックについては、全てのライドシェアドライバーに検知器を貸与し、点呼時に本人であることを確認しながら実施しています。血液中のアルコール度数が0.00mg/mLであることが確認できない限り、稼働することはできません。
- ドライブレコーダー貸与
- - ライドシェアドライバーに対して、車内外を録画できるドライブレコーダーを貸与しています。これにより、トラブル時の状況把握を迅速化し適切なサポート体制につなげるだけでなく、今後同様の事故を起こさないためのノウハウの蓄積に役立てます。
- 万が一の事故に備えた対応
- - 日本版ライドシェアの運行においては、タクシーと同等の管理運営体制が定められており、損害賠償についても対人8,000万円以上及び対物200万円以上の任意保険もしくは共済への加入が義務付けられています。nemwoにおいても、事故発生時には乗客・ドライバー・関係者の各者に対して責任を持って対応いたします。
- - また、newmoは東京海上日動の1時間単位の日本版ライドシェア向け保険「移動サービス事業者向け自動車保険」に加入しています。また、東京海上日動にて、newmo専用の事故対応体制を構築しています。
===調査概要=======================
調査名称:ライドシェアに関する意識調査
調査期間:2024年 12月27日(金)~12月28日(土)
調査方法:インターネット調査
調査対象者:18~59歳の大阪・京都・兵庫・奈良在住者、且つタクシーを半年に1回以上利用する者、かつライドシェア認知者
有効回答数:スクリーニング調査 14,000名、本調査 1,200名
表記:四捨五入し、小数第1位までの値で記載
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以上
<newmo会社概要>
法人名:newmo株式会社
代表 :代表取締役CEO 青柳直樹
設立 :2024年1月4日
WEBサイト:https://newmo.me/
所在地 :
・東京オフィス(本社)
〒105-0001 東京都港区虎ノ門3丁目5番1号虎ノ門37森ビル 13階
・大阪オフィス
〒570-0021 大阪府守口市八雲東町1丁目8-2(株式会社未来都内)