西天満・老松通りの中国料理店「大元」が6月18日、店名を「唐菜房 大元」(大阪市北区西天満4、TEL 06-6361-8882)と改めリニューアルオープンした。
1937(昭和12)年創業の同店。現在のオーナーは4代目だが、「古くからこの店と付き合いのある人が多い」と店名はそのままにリニューアルを行った。外観は真っ白、店内は白以外はコンクリートむき出しのシンプルな内装に仕上げた。シェフの国安英二さんは「中華の代名詞のような、金、赤、ドラゴンは一切排除した。以前フランスに行った時、街の中に白い建物があり入口も狭く『何屋やろ?』と気になった店があった。そんな風にしたかった」と話す。
15坪の店内には、テーブル6席、カウンター8席を設け、「背中にプレッシャーを感じながら料理を作りたい」とオープンキッチンスタイルにした。「自分に厳しいタイプではなかったが、これを機にそうしようと思った」。現在改装中の2階には円卓2卓を置き、10人ほどが利用できる。
料理は、「四川の人は四川料理しかできないが、僕は運良く全部学べた」と、四川風、北京風、上海風、湖南風、成都風など、系統を問わず「すべてのいいとこ取りをした」。「エビマヨ、酢豚など居酒屋や他店でもあるようなものは出さず、日本であまり紹介されていない料理を提供したい。何を頼んだらいいかわからないようにしたらコミュニケーションが生まれ会話も生まれる」と話す。「世間の中国料理店では、うま味調味料をむちゃくちゃ使っている。もっと工夫したらおいしくなるのを努力せず、うま味調味料を使うのが嫌」とこだわりもみせる。
「四川名菜 よだれ鶏」(1,000円)は、「よだれが出るほどおいしい」ことが由来しているといい、前日に塩をまぶし1日置いてうま味を凝縮したものを蒸して提供する。「一番おいしい状態で提供したい」とまとめて作らず、1日分ずつ仕込んでいるという。ほかには「揚げピータン 香味ソース」(800円)、「布豆腐と金針菜の炒め物」(1,000円)が人気。夜の客単価は5,000円~6,000円。
ランチは、前オーナーから「残してほしい」と言われた「もやしそば」(700円)、「海南チキンライス」(1,000円)、「焼味飯(シュウメイファン)」(1,200円)を用意。「香港の人が日常食べているもの、自分がうまいと思うものを人がどう思うか知りたい」とメニューを決めたという。
国安さんは「ワインがあって、ちょっと工夫した料理があって、シャーデーが店内にかかっている。昔から長年やりたかったことを実現した店」とほほ笑む。
営業時間は11時30分~14時(ラストオーダー)、18時~22時(同)。日曜・祝日定休。