映画「苦い蜜~消えたレコード~」(アステア配給)のPRで主演の金子昇さんが大阪を訪れ、西天満でインタビューに応えた。
亀田幸則監督が脚本も手がけた同作品は、シックな英国調のビートルズ・バーが舞台の密室推理劇。バーのオープニングパーティーでザ・ビートルズのLPのうち「ブッチャー・カバー」と呼ばれる貴重盤が消え、事件の1年後にバーに集まった14人が事件の真相を探る。
キャストには、池上季実子さん、田中健さん、中西良太さん、高橋ひとみさん、犬塚弘さんのほか、元ザ・タイガースの森本タローさん、格闘家で不良牧師のアーサー・ホーランドさん、ものまねタレントの葉月パルさんなど多彩な顔ぶれが集まる。森本さんはエンディングテーマも手がける。
「脚本をきっちり構築したうえでワンテークで挑み、俳優の持ち味を最大限に生かす」という演劇的手法で作り上げられた同作品について、金子さんは「(ワンテークのシーンは)気持ちが切れない部分では良かった。カットごとのつながりが覚えられず、気を取られると芝居ができなかった」と振り返る。
探偵役を演じる金子さんは「謎解きを見ても楽しめるが、会話の中に出てくる世代別の価値観を見てもらっても面白い」と話し、「みんなが違う意見を持っていることが当たり前という点が一番共感できた」という。「作品を通じて、監督が世の中の不満や思いを伝えようとしているのを感じ取ってもらえれば」とアピールする。
関西地区では、5月8日からシネマート心斎橋(大阪市中央区)、6月から京都シネマ(京都市下京区)で公開。