阪神電気鉄道(大阪市福島区)は1月7日、阪神梅田駅東改札口前で今月9日~11日に西宮神社で執り行われる「十日えびす」のPRイベントを、西宮神社と共同で行った。
西宮神社は日本に約3,500社ある、えびす神社の総本社。十日えびす前日の8日には「大マグロの奉納」、宵えびすの9日には「有馬温泉献湯式」、本えびすの10日早朝には「開門神事福男選び」が行われる。期間中は約800軒の露店や吉兆店が立ち並び、毎年3日間で100万人以上の参拝者でにぎわう。
イベントでは淡路人形座による「戎舞(えびすまい)」を披露。戎舞は約500年前、西宮の百太夫が淡路を訪れた際に伝えたと言われる淡路人形芝居で、1976(昭和51)年には国の重要無形民族文化財に指定。1体の人形を3人の人形遣いが黒子を着て操る。庄屋を訪れたえびす様が人々の願い事をさかなに酒を飲み、酔っ払って漁に出てタイを釣り上げる縁起のいいストーリーで、「十日えびすを祝して」「景気が良くなって毎日をえびす顔で過ごせるように」など願い事を言って何回も酒を飲む姿に会場からは笑いが起こった。
西宮神社の紹介では権禰宜(ごんねぎ)の堀川さんが登場し、「平安末期にはあったと思う。西宮の漁師が祭る神で豊漁や海上安全の神だったが、魚を取ったら売らなければいけないことから商売の神として信仰されるようになった。室町時代には全国に広まった」などと話し、正しいお参りの仕方として二礼二拍手一礼を紹介した。新たにできた公式携帯サイトで最新情報などが閲覧できるとPRも。
イベント最後には、巫女(みこ)が梅田駅の中川駅長に大熊手を渡し、期間中の安全運行を祈願。終了後には、来場者先着300人に非売品のオリジナル熊手が配布された。イベントは昨年まで梅田駅のみで行われていたが、阪神なんば線開通により難波・奈良方面からのアクセスも向上したことから、今年は難波駅でも行われた。