
「生誕150年記念 上村松園」展が3月29日、大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4)で始まった。
1875(明治8)年に京都で生まれ、女流画家の先駆者として知られる上村松園の生誕150年を記念して企画した同展。大正から昭和期にかけて活躍し、1948(昭和23)年には女性として初めて文化勲章を受章した。初期から晩年まで約60年にわたる画業をたどる美人画をメインとした110点の作品のほか、下絵や素描40点、絵筆やすずりなどの遺品12点を展示する(一部展示替えあり)。
作品は、年代順ではなく、「人生を描く」「季節を描く」「古典を描く」「暮らしを描く」の4つのテーマに分けて展示する。「人生を描く」では、年齢に応じて描き分けられた髪型や着物など女性の装いを、「古典を描く」では、能楽や古典文学を画題にした美人画を紹介。5月13日からは、重要文化財の「母子」と「序の舞」を展示する。
3月28日の内覧会では、音声ガイドのナビゲーターを担当する俳優の木村多江さんが淡い水色と白の着物姿で登壇。司会者から「俳優として松園の作品から受けた影響」を尋ねられた木村さんは「人物の表面だけではなく内面をも描こうとしている。私も一役者として、心の中に起こっていることを大切にして演じられれば。役者としての心構えを頂いた気がした」と話した。
開館時間は10時~17時。入館料は、一般=1,800円、高大生=1,500円、小中生=500円。月曜、5月7日休館(4月28日、5月5日は開館)。6月1日まで。