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大阪中之島美術館が2月2日開館へ 所蔵作品にまつわる99の物語を紹介

黒い箱型が特徴の大阪中之島美術館

黒い箱型が特徴の大阪中之島美術館

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 大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4)が2月2日に開館する。

全フロアを貫く吹き抜け空間

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 大阪市が1983(昭和58)年に発表した近代美術館建設の構想から約40年を経て完成した同館。2019(平成31)年2月に着工し、昨年6月30日に落成した。地上5階建ての黒い箱型が特徴の建物は、コンペで選定された建築家の遠藤克彦さんが設計した。民間企業が運営する「コンセッション方式」を国内の美術館で初めて導入する。

 延べ床面積は2万12平方メートル。館内には、フランス語でアーケードを意味する「パッサージュ」から着想を得たという全フロアを貫く吹き抜け空間を設け、その中をエスカレーターや階段が交差するように配置した。1階にホール、ミュージアムショップ「dot to dot today」や、フレンチレストラン「ルレストカール」(4月下旬オープン予定)など、2階にチケットカウンターや芝生広場などを設け、無料で入場できる。4階と5階は企画展を開催する有料の展示スペースを置く。

 同日から、初の展覧会「Hello! Super Collection 超コレクション展 99のものがたり」を開催。同館が所蔵する6000点以上のコレクションから近代、現代美術の代表的な400点をより抜き、作品とともに収集活動の背景や作品にまつわる99の物語を紹介する。タイトルの「99」は未完成であることを意味し、来場者の「100個目のものがたり」で展覧会は完成するとの思いを込める。

 会場は3つの章で構成する。第1章は、美術館構想の契機となった「山本發次郎コレクション」をはじめ寄贈された作品や大阪にゆかりのある作品を集め、佐伯祐三「郵便配達夫」やマリー・ローランサン「プリンセス達」などを展示。第2章は、アメデオ・モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」や、ルネ・マグリット「レディ・メイドの花束」など「超現実主義」の作品が並ぶ。第3章は、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックやアルフォンス・ミュシャなど約200点のグラフィックや家具作品を展示する。

 菅谷富夫館長は「1990(平成2)年に準備室が設立されてから、開館まで約30年かかってしまった。やっと本格的なスタートが切れ、お待たせしてしまった市民のみなさんに報告できうれしい。2時間あっても見切れないほどの作品を展示しているので、ゆっくり見て回ってほしい」と話す。

 同館1階ホールで2月11日、中之島にある14の文化施設で構成する「クリエイティブアイランド中之島」が、中之島の「みらい」「まなび」「くらし」をテーマにシンポジウムを開催。森美術館(東京都港区)館長の片岡真実さんやジャズピアニストの中島ちさ子さん、雑誌「SAVVY」編集長の竹村匡己さんなどが登壇する。料金は、会場=1,000円(先着100人)、オンライン=無料。

 開催時間は10時~17時。入館料は、大人=1,500円、高大生=1,100円。中学生以下は無料。月曜休館(3月21日除く)。3月21日まで。

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