中崎町の居酒屋「てつたろう」(大阪市北区中崎西3)が7月1日、飲食店応援と生活困窮者の食事支援を同時に行う定額サービス「EAT&DELIVER(通称=イーデリ)」を本格始動した。
「てつたろう」運営会社の「フォーシックス」(同)の柳川誉之社長は昨年4月、生活困窮者や路上生活者を支援する費用をクラウドファンディングで募り、約320万円の支援金を集めた。今年3月までに地元NPOとともに夜回りで弁当の無償配布を行ったが、より継続的な支援ができるようにと「イーデリ」を企画。同サービスは、支援者が毎月定額を支払うことで、コロナ禍で経営に苦しむ飲食店の応援と生活困窮者の支援を同時に行えるのが特長。
支援額は3,000円、5,000円、1万円の3種類を用意し、支援者は「てつたろう」で支援額分の飲食ができる一方、店内飲食で使われた金額の2パーセント分と使われなかった差額分は支援の弁当や食材購入費用に充てる。今年1月から試験運用を始め、7月1日、本格始動に踏み切った。現在、常連客を中心に毎月10~15人が利用し、集まった金額の半分が支援に活用されているという。
毎月100人以上の路上生活者に弁当を配布するほか、こども食堂への食材提供や自殺防止センターへの支援も行う。柳川さんは「大阪市北区には現在140人以上の路上生活者がいる。夜回りで声掛けしながら、NPO法人が開く相談会に参加するよう呼び掛けも行っている。『イーデリ』サービスの取り組みに賛同してくれる飲食店の輪を全国に広げたい」と意気込む。