大阪・梅田の商業施設「ハービスPLAZA ENT」(大阪市北区梅田2)で3月、ロボットによる館内警備実験が行われた。
ロボットの開発を手掛ける「ugo(ユーゴー)」(東京都千代田区)が、ビルメンテナンス会社の「大成」(名古屋市)、同商業施設と共に3月8日~12日の5日間にわたり行った同実験。
ugoは2018(平成30)年設立。家庭用ロボット、業務用ロボットの企画、開発、販売などを手掛ける。遠隔操作ができるアバターロボットと、さまざまなロボットを統合管理するプラットホームを提供しており、労働集約型の業務を省力化することで、コスト削減や、人と人との接触機会を減少させることによる感染症などのリスク低減、さらには将来の就労人口減少への対応を目指しているという。
今回の実証実験は商業施設への導入に向けたもので、警備に特化したアバターロボット「ugo TS-P」を使い、巡回・立哨(りっしょう)警備業務の実現と、来訪者からの反響調査を行った。併せて、巡回警備業務を行うロボット付属モニターで施設の広告を流すことで、デジタルサイネージとしての活用も実験した。
同社によると、同商業施設の規模はそれほど大きくないものの、通路形状など施設の造りが複雑であり上下階移動もあることから、商業施設における警備ロボットの実証実験として向いていると考えたという。ロボットは自身でエレベーターのボタン操作を行うことができるため、1台で複数フロアでの業務が可能。AIによる学習機能で同じ稼働条件下であれば自動モードの切り替えも行えるという。
実験の結果、商業施設を訪れた客からは、写真撮影をしたり、付き添いの係員への好意的な声掛けをしたりと、興味と好感を持った反応が多かったという。特に、ロボットがアームを使ってエレベーターのボタンを押し、乗り降りすることに驚きの声があったという。商業施設の職員も、ロボットが警備の帽子をかぶっていることや、音声モニターでの発話、立哨時やあいさつ時の敬礼姿勢、デジタルサイネージの活用ができることなどに好印象を持ったという。