グランフロント大阪(大阪市北区大深町)北館3階の「The Lab.みんなで世界一研究所」で3月27日、ライオンやキリンのかむ、引っ張る、つつくといった感覚を、傘の柄に伝わる振動で疑似体験できる展示「アソブレラ Zoo」が始まった。
大阪大学の伊藤雄一准教授らが2013年に制作した遠隔降雨感覚共有装置「アソブレラ」の新作。天王寺動物園協力の下、7種類の動物(クロサイ、キリン、ライオン、コアラ、ホッキョクグマ、エミュー、オグロツル)の行動から振動を計測し、映像と融合させた。
天井からつった市販ビニール傘の柄を握ると振動が伝わり、ライオンが肉をくわえる衝撃や、キリンが草を引っ張る強さなどを体感できる。動物の動き以外に、傘にバラバラと落ちるコアラのふんや、ホッキョクグマが体を振ったときの水しぶきなども感じられる。
アソブレラは「ゲリラ豪雨」への注目を機に「『しとしと』『ザーザー』など降る強さの違いを体験できないか」(伊藤さん)と考案。「ナレッジ イノベーション アワード」(ナレッジキャピタル主催)第1回グランプリを受賞した。
新コンテンツの開発では、昨年12月中旬、大阪大学修士課程2年の山下真由さんを中心とするスタッフが閉園後の天王寺動物園に2度訪問し、振動を記録した。「相手は動物。気ままに行動するので、思うようにいかず苦労した」と山下さん。「傘の上を這(は)うヘビ」の収録も試みたがこちらは失敗。伊藤さんは「なでるような感覚を録るデバイス開発は今後の課題になりそう」と話す。
開場時間は10時~21時。入場無料。