梅田で昨年末に閉館した民営の能楽堂「大阪能楽会館」(大阪市北区中崎西2)が近く解体される。
1959(昭和34)年3月に開館して以来、大阪における能楽公演の拠点を約60年間担ってきた同館。収入減少と建物の老朽化、借地料の値上がりを理由に2017年12月に閉館した。
現在は、館内備品の処分、整理を進めており、4月30日までに解体工事を終える。跡地(約1100平方メートル)には分譲マンションが建つとみられる。
同館は建築家・竹腰健造の設計で、シテ方観世流大西家の7代目当主、故・大西信久さんが開設した。規模はRC造り2階建て、客席数は513席。ひのき造りの舞台と橋掛かり、白州を備えた伝統的な能舞台があり、能楽ファンに親しまれてきた。
隣地の旧「ホテルグリーンプラザ大阪」は、旧耐震基準と老朽化のため2017年に解体され、現況はさら地。2棟の分譲マンション(北棟=17階建て、南棟=16階建て、2棟計延べ約1万3600平方メートル)を2020年3月下旬の完成予定で建設する。