ヒルトン大阪（大阪市北区梅田1）22階にある「シリスネイルサロン」は12月14日、日本で初めて「ムスリムフレンドリー」のネイルコースを始める。

スイートルームを改装したサロン

　ムスリムフレンドリーとは、ムスリム向けの施設・サービスがハラル基準を満たしていることを認証する呼称。厳格な戒律で知られるイスラム教では食べ物だけでなく、肌に付ける化粧品にもハラル認証が必要になる。

　同店のネイルサービスは、カーテン付きの個室空間で女性スタッフが対応する。マニキュアは「INGLOT」「Tuesday in love」の2種類を使用。両商品はイスラム学術院で合法と認められ、「ムスリム女性もやっとネイルアートを楽しめるようになった」と発売当初に世界的な話題となった。

　同店を運営するシリスジャパン（大阪市都島区）は化粧品の輸出入を手掛けており、仕事上、東南アジアのムスリムとも交流がある。今回の導入は「大阪を訪れても、行ける店がない」「ヘアカットやネイルケアを楽しめず妻が困っている」という訪日・在日ムスリムの声を受けたもの。

　コース作成に当たっては、日本最古のモスク「神戸ムスリムモスク」に監修を依頼した。コミッショナーのションティ・ゾヘールさんに直接指導を受け、2015年10月にネイルサロンでは日本初となるムスリムフレンドリー認証を発行された。

　ムスリムがネイルサロンを利用するには、マニキュアの成分以外にも壁がある。除菌清浄の際は本人だけでなく、ネイリストの手やテーブルもアルコール使用はご法度。夫以外の人へのむやみな肌の露出も禁じられているため、路面店やオープンな作りのサロンは利用できない。

　同社の岡田今日子社長は「日本のサービスは先進的で、気持ちよくもてなすのが得意。人目に触れないビルの高層階で眺めを楽しみながら、ムスリムの方にのんびりネイルケアを受けてもらいたい」と話す。

　料金は「スタイルコース」が1万800円、「ベーシックコース」が7,344円。完全予約制で、受付時間は10時～18時。