阪神梅田本店(大阪市北区梅田1)8階で現在、「高校野球100年写真展」が開催されている。
1915(大正4)年の第1回大会(前身の全国中等学校優勝野球大会)から100年がたった高校野球の歴史を振り返る同展。名場面や球場の変遷、当時の世相や風俗などを100点以上の写真と記事、記念品でたどる。
展示は、高校野球史を開いた大阪・豊中グラウンドでの「最初の始球式」を捉えた写真から時系列に沿って進む。近くに8月6日から始まる第97回大会の始球式で使ったボールも併せて展示予定。
甲子園球場(現・阪神甲子園球場)での開催は1924(大正13)年の第10回大会から。「東洋一の球場」と呼ばれた新球場のスタンドで前日から雑魚寝して試合を待つ様子や、速報盤があった中之島公園を人が埋め尽くす様子など、高校野球人気の過熱ぶりが写真から伝わる。
日本野球確立の功労者、「打撃の神様」川上哲治さん(1937年)、「伝説の大投手」沢村栄治さん(1934年)、「ミスタータイガース」藤村富美男さん(1933年)らの雄姿に続く時代では、第2次世界大戦で大会史から除外された1942~1945年の優勝旗返還式などの様子もある。
初日は年配層を中心に客が訪れ、浪商高校の「ドカベン」香川伸行さん、読売ジャイアンツで監督を務める東海大相模の原辰徳さんの懐かしい姿や、PL学園の「KKコンビ」清原和博さん、桑田真澄さんが活躍した1985年第67回大会の写真に足を止めていた。
山口県で高校教員を務める男性(53)は「これだけ長く続くのは、それだけ価値が認められていること」と感想を語る。勤務先の学校にも野球部はあるものの、「弱小なので、『まず1勝』と応援している」と苦笑い。
堺市在住の小林文子さん(86)は「父が豊中グラウンド時代の大会関係者なので、写真が残っていないかと思って来た」と話す。高校野球は「中等野球」のころから見続けてきたという。印象に残っている大会は「やっぱりPL学園の桑田と清原が出ていた時分。一生懸命に応援した」と懐かしんだ。
入場無料。8月10日まで。